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卵巣癌における三次リンパ組織(TLS)の人工的誘導のための基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K22810
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0901:腫瘍学およびその関連分野
研究機関地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院(救急診療部、循環器病診療部、がん診療部、臨床診療部 (2022)
京都大学 (2020-2021)

研究代表者

浮田 真沙世  地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院(救急診療部、循環器病診療部、がん診療部、臨床診療部, 臨床診療部, 医長 (50725067)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード三次リンパ組織 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 腫瘍微小環境 / 卵巣癌 / TLS
研究開始時の研究の概要

卵巣癌は婦人科癌では最も予後不良な疾患であるが、新規治療として期待される抗PD-1抗体に代表される免疫チェックポイント阻害剤の奏効率も15%程度にとどまっている。最適な抗腫瘍効果を得るためには、腫瘍微小環境において単にPD-1/PD-L1経路をブロックするだけでなく、癌局所へ抗腫瘍作用を担うT細胞の浸潤を促し免疫を活性化させる必要がある。腫瘍微小環境に慢性炎症により形成される三次リンパ組織(TLS)に着目し、これらの構造を腫瘍組織に誘導し、治療効果の改善を図るべく、治療応用に向けた基礎的検討を行うことを目的とする。

研究成果の概要

卵巣癌組織における三次リンパ組織(TLS)の存在は、B細胞系統やCD8+T細胞の腫瘍内浸潤を促進し、液性免疫と細胞性免疫の協調的な抗腫瘍反応を促進し、予後改善に寄与している可能性が示された。TLSの形成に関わるCXCL13の遺伝子発現は、TLSの有無および腫瘍内の様々な腫瘍浸潤リンパ球数と相関し卵巣癌の予後因子となっており、マウス卵巣癌モデルにおいて、rCXCL13は腫瘍組織内にTLSを誘導し、CD8+T細胞の腫瘍内浸潤を促進することで担癌マウスの生存を延長していた。CXCL13 やTLSの誘導は、腫瘍微小環境を変化させることができ、重要な免疫調整法となる可能性があることが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

腫瘍の進行を制御し、治療への反応性を調節するという重要な役割をもつ腫瘍微小環境(TME)を標的とした治療戦略は有望なアプローチとして発展途上にある。本研究では、慢性炎症に伴ってTMEに形成される三次リンパ組織(TLS)に着目し、卵巣癌におけるTLSの臨床的意義を明らかにし、新たな治療標的としての可能性を検討した。卵巣癌における抗腫瘍反応における液性免疫との相互作用の重要性と、CXCL13やTLSの誘導はTMEを変化させうることが示された。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] CXCL13-producing CD4+ T cells accumulate in the early phase of tertiary lymphoid structures in ovarian cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Ukita Masayo、Hamanishi Junzo、Yoshitomi Hiroyuki、Yamanoi Koji、Takamatsu Shiro、Ueda Akihiko、Suzuki Haruka、Hosoe Yuko、Furutake Yoko、Taki Mana、Abiko Kaoru、Yamaguchi Ken、Nakai Hidekatsu、Baba Tsukasa、Matsumura Noriomi、Yoshizawa Akihiko、Ueno Hideki、Mandai Masaki
    • 雑誌名

      JCI Insight

      巻: 7 号: 12 ページ: 157215-157215

    • DOI

      10.1172/jci.insight.157215

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] CXCL13は三次リンパ組織の誘導に関与し腫瘍浸潤リンパ球を増加させ卵巣癌の抗腫瘍効果に関わる2020

    • 著者名/発表者名
      浮田真沙世
    • 学会等名
      第19回日本婦人科がん分子標的研究会学術集会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] CXCL13 produced by CD4-positive T cell induces tertiary lymphoid structures and tumor infiltrating lymphocytes, and contributes to antitumor effect in ovarian cancer2020

    • 著者名/発表者名
      Masayo Ukita
    • 学会等名
      第62回日本婦人科腫瘍学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 卵巣がんにおける新たな免疫の仕組みを発見~三次リンパ様構造の形成メカニズムと予後への影響を解明~

    • URL

      https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2022-08-05-0

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2020-09-29   更新日: 2024-01-30  

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