研究課題/領域番号 |
20K22828
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
庄司 哲明 北海道大学, 大学病院, 医員 (10881021)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺癌 / シスプラチン / 薬物耐性 / プロテアソーム阻害剤 / 免疫プロテアソーム阻害剤 / 臨床腫瘍学 / 分子生物学 / 免疫プロテアソーム / ネクロトーシス / オートファジー / 小胞体ストレス / 悪性新生物 |
研究開始時の研究の概要 |
シスプラチンなどのプラチナ系製剤は肺癌治療に頻用されるがやがて耐性化する。そのためプラチナ系製剤耐性後の治療は重要な課題として研究されてきたが臨床応用に至った治療法は未だ存在しない。一方で免疫プロテアソーム阻害剤は肺癌における臨床試験でプラチナ製剤耐性化後の患者において少数ながら著効例が報告されている。そこでプラチナ系製剤耐性肺癌の治療選択肢としての免疫プロテアソーム阻害剤の検討および適切な患者選択のためのバイオマーカーの探索を行う。 また免疫プロテアソーム阻害剤は免疫原性細胞死を誘導するため、免疫チェックポイント阻害との併用が効果的である可能性がある。そこで最適な併用条件の検討を行う。
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研究成果の概要 |
まず非小細胞肺癌細胞株と小細胞肺癌細胞株からシスプラチン耐性細胞を作成した。すべてのシスプラチン耐性細胞は、免疫プロテアソームサブユニットであるPSMB8とPSMB9の遺伝子およびタンパク質を高発現していた。さらにH1299とSBC3のシスプラチン耐性細胞は、免疫プロテアソーム阻害剤に対してより感受性が高く、プロテアソーム蛋白分解活性が親細胞に比べて有意に高いことが示された。一部のシスプラチン耐性肺癌では免疫プロテアソームが有効な治療標的である可能性がある。プロテアソーム蛋白分解活性は、シスプラチン耐性肺癌における免疫プロテアソーム阻害剤の有効性を予測するマーカーとなる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、作成したシスプラチン耐性肺癌細胞5株中2株において免疫プロテアソーム阻害剤が有効な治療となることが観察された。またプロテアソームによるタンパク分解活性が有効な症例を同定するためのバイオマーカーとして利用できる可能性が示された。シスプラチンをはじめとするプラチナ製剤は肺癌治療に頻用されるが数ヶ月で耐性化するため、プラチナ製剤耐性肺癌患者の数は相当数に上ると考えられるため、本研究は多くの患者の利益に資すると予想される。
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