研究課題/領域番号 |
20K22856
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
花村 徹 東海大学, 医学部, 講師 (00532053)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 乳癌 / 腫瘍免疫 / アンドロゲンレセプター / Alpha-2-glycoprotein 1; / マクロファージ / ZAG / アンドロゲンシグナル / アンドロゲン / Alpha-2-glycoprotein 1 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌に対する免疫機構(腫瘍免疫)が治療に応用できることが発見され、これに関連した新薬が盛んに開発されています。最近我々は乳癌から分泌される蛋白であるAlpha-2-glycoprotein 1, zinc-binding (ZAG)に注目しており、これまでに乳癌の遺伝子発現データの解析からZAGが活発に働いている乳癌では免疫反応が起きにくくなっている可能性があることを発見しました。本研究では乳癌においてZAGがどのように腫瘍免疫をコントロールしているのかを明らかにし、ZAGを標的とした治療が腫瘍免疫を応用した新しい治療法となりうるかどうかを検証します。
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研究成果の概要 |
乳癌臨床検体についてAlpha-2-glycoprotein 1;ZAG発現と乳癌の免疫学的状態との関連を解析し、ZAG発現はマクロファージの腫瘍内浸潤および、このM1分化マーカーであるCD86発現と逆相関することを発見した。マクロファージモデル細胞株THP-1を用いたM1/M2分化モデル系でおいて、ZAGはTHP-1の分化に影響を与えなかったが、ヒト抹消血単核球(PBMC)より単離した単球由来マクロファージを用いたM1/M2分化モデル系においてZAGはM1分化マーカーであるCD80の発現をわずかに低下させることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤が臨床応用された昨今において、は腫瘍微小環境における免疫制御機構をを明らかにすることは新規治療標的の創出や既存の免疫療法の効果的な利用につながる。本研究の結果からAlpha-2-glycoprotein 1; ZAGはマクロファージをはじめとする免疫細胞に働きかけ、乳癌組織における腫瘍免疫を何らかの形で制御している可能性が示唆される。ZAGの免疫系に対する作用の詳細がさらに明らかになれば、腫瘍免疫を応用した治療に対する効果予測マーカーとしての開発やZAGを標的とした治療開発が期待できる。
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