研究課題/領域番号 |
20K22869
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長屋 聡美 金沢大学, 保健学系, 助教 (00882309)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 異常プロトロンビン / 血栓傾向 / アンチトロンビン抵抗性 / トロンボモジュリン抵抗性 / 血栓症 |
研究開始時の研究の概要 |
血液凝固因子トロンビンの前駆体であるプロトロンビンに遺伝子変異を有する先天性プロトロンビン異常症は、通常は出血症状を示すが、無症状や血栓傾向となる例も存在する。トロンビンは、血管内皮細胞上に存在するトロンボモジュリンと結合することで抗血栓作用を発揮する。申請者らはトロンボモジュリンとの結合障害(TMR)を有する異常プロトロンビンに注目し、(1)培養細胞系でのTMR型異常プロトロンビンの血栓形成機構の解明、(2)マウスを用いたTMR型異常プロトロンビンの血栓症発症機序の解明を進める。本研究によって、TMRによる血栓形成機構が明らかとなり、原因不明の血栓症の診断や治療に貢献できると期待される。
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研究成果の概要 |
先天性プロトロンビン異常症のうち、無症状や血栓傾向を呈した変異を有するリコンビナントプロトロンビンを作製し、凝固活性(凝固時間法・合成基質法)および血栓傾向の指標であるアンチトロンビン抵抗性 (ATR)を評価した。ATRを示すと報告されているR596LおよびE509AでATRを検出でき、アッセイ系を確認した。申請者らが同定した無症候性の異常プロトロンビンでは、R431Hは軽度のATR、M380TはほとんどATRを示さなかった。ATRの詳細な検討を継続し、トロンボモジュリン抵抗性 (TMR)の検出を進め、M380TとR431Hの複合ヘテロ接合体が無症状となった機序を解明する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、異常プロトロンビンのアンチトロンビン抵抗性 (ATR) に加え、トロンボモジュリン抵抗性 (TMR)による血栓傾向に着目した。申請者らが同定した複合ヘテロ接合体症例は出血も血栓も呈さない無症候性であり、そのメカニズムの解明を試みた。M380TおよびR431Hは凝固活性の低下 (出血傾向)、アンチトロンビン抵抗性 (ATR) は軽度~なし (血栓傾向軽度) と発端者は出血症状を呈しうる結果であり、TMRまたはプロテインCとの結合障害など、ATR以外の血栓傾向を有している可能性が示唆された。これらを解明することで新たな血栓性素因の発見や新規治療薬の開発につながる可能性がある。
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