研究課題/領域番号 |
20K22885
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
片平 泰弘 東京医科大学, 医学部, 助教(特任) (80881458)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 白斑症 / 感作 / ロドデノール / h-CLAT / h-CLATw/M / メラノサイト / 樹状細胞 / 共培養 / 代替法 / ROS / ATP / IL-12 / 細胞障害性T細胞 / 自己免疫性白斑症 / ハプテン / 自己免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
2013年に美白化粧品の有効成分でメラニン合成に重要なチロシナーゼ阻害剤ロドデノール(RD)による白斑発症が、社会問題になった。この原因は、チロシナーゼによるRDの代謝産物のメラノサイトに対する細胞毒性と、その代謝産物のハプテン化により誘導されたチロシナーゼ特異的細胞傷害性リンパ球(CTL)の細胞傷害による自己免疫性疾患と考えられている。ところが、この細胞毒性とCTL誘導との関係性やその作用機序については未だ不明の点が多い。本研究では作用機序の解明を目的とした共培養系を構築し、検討を重ね、さらに、白斑誘発性を予測する汎用性の高い評価系の開発も目指す。
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研究成果の概要 |
2013年に美白化粧品の有効成分、ロドデノール(RD)が白斑症の原因物質として問題視されたが、その毒性を検出するin vitro実験系が未だ確率されておらず、白斑症の発症メカニズムもその詳細は明らかでない。 我々は、RDに対する感受性が高いメラノサイトの細胞死が皮膚下層の樹状細胞を活性化し自己免疫を誘導する事で発症すると仮説を立て、h-CLATにメラノーマ細胞層を追加した新しい実験系を確立した。これにより下層のTHP-1細胞から感作の指標であるCD86分子の発現上昇という形でRDの免疫毒性の評価が可能となった。また、この系を用いて樹状細胞の活性化に活性酸素種と細胞外ATPが関与する事を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したin vitro実験系によって、事前の安全性試験でその毒性を知る事ができなかった化粧品成分のリスクを評価できた。ヒトの皮下の反応を模したこの実験系を用いる事で、ロドデノールによる白斑症発症までの詳細なメカニズムを解明できることが期待される。 また、h-CLATに追加する細胞層を別種の細胞に変えることで、特定の体組織の細胞との反応を介して間接的に免疫細胞を感作するような薬物毒性のスクリーニングも可能となる。 本成果は、これまで検知できなかった薬品の毒性評価を可能にした事で、化粧品、製薬業界において有用な新規成分の研究開発を促す事が期待されるものである。
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