研究課題/領域番号 |
20K22895
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 剛 東京医科歯科大学, 高等研究院, プロジェクト助教 (20733900)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | IFN-1 / Atg16L1 / アポトーシス / ネクロプトーシス / RIP1キナーゼ / RIP1 / autophagy / apoptosis / necroptosis / IBD |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎・クローン病の2疾患が存在するが、いずれも消化管に慢性炎症と難治性潰瘍を起こす難病である。炎症性腸疾患の発症・再燃因子の一つとしてウィルス感染等を契機とした免疫応答が知られている。同応答にはI型インターフェロン(IFN-1)が中心的な役割を担うが、炎症性腸疾患の病態において「腸上皮」におけるIFN-1応答の意義・役割の詳細は明らかでない。本研究では腸上皮における蛋白分解過程の一つである「オートファジー」と「細胞死」を介して局所炎症の惹起・遷延に繋がる新規IFN-1応答に焦点を当て、その分子機構の全貌を明らかにする。
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研究成果の概要 |
IFN-1は腸上皮細胞において細胞死を誘導すること、同作用はAtg16L1欠損腸上皮で著しく増幅・促進されることを明らかとした。また細胞死制御におけるキー分子の一つであるRIP1のキナーゼ活性を不活化させることによりIFN-1誘導性細胞死に抵抗を示し、Atg16L1欠損下における細胞死増強作用も抑制することを明らかとした。細胞内オートファジーが障害された環境ではIFN-1応答が増強・促進されることから、腸上皮におけるIFN-1-オートファジー相互作用が炎症性腸疾患の病態において重要な役割を担っていることが考えられ、同作用においてRIP1キナーゼ活性が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス感染は炎症性腸疾患の再燃・増悪因子の一つである。ウイルス感染によりIFN-1は分泌されることが知られている。今回我々は腸上皮における炎症性腸疾患の責任遺伝子であるオートファジー関連遺伝子Atg16L1とRIP1キナーゼが制御する細胞死を介して局所炎症の惹起・遷延に繋がる新規IFN-1応答を明らかとした。以上のことにより「感染による炎症性腸疾患の炎症増悪、遷延に対する新規治療の開発」「新規オートファージー関連細胞死のメカニズムの解明」につながることが期待される。
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