研究課題/領域番号 |
20K22899
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒澤 壮一 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90887366)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝癌 / 肝細胞癌 / B型肝炎ウイルス / 遺伝子異常 / 染色体異常 / 染色体コピー数異常 / B型慢性肝炎 / 肝硬変 / B型肝炎ウイルス感染 / 発癌 / がん抑制遺伝子 / B型肝炎 / 遺伝子突然変異 / インテグレーション / がんゲノム / 若年発癌 / 非活動性キャリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、B型肝炎ウイルス(HBV)の非活動性キャリアにおける非硬変肝を発生母地とする肝細胞癌の発生機序を明らかにすることを目的とする。HBV非活動性キャリア、慢性B型肝炎、B型肝硬変患者に発生した肝癌の手術症例を対象とし、肝癌組織および背景肝組織におけるゲノム解析・トランスクリプトーム解析を行うことにより、HBV非活動性キャリアに特徴的なゲノム異常、および遺伝子発現プロファイルの同定を試みる。
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研究成果の概要 |
肝癌は数十年に及ぶ肝炎の帰結として肝硬変に至り、肝細胞が遺伝子変異を蓄積することで発生するが、B型肝炎ウイルス(HBV)による肝癌では肝炎に乏しい若年者もしばしば発癌し、通常と異なる発癌機序の存在が想定される。本研究ではHBV陽性の肝硬変なき肝癌9症例と肝硬変に伴う肝癌10症例を比較し、その遺伝的特徴を検討した。 肝硬変に伴う肝癌では既報通り癌関連遺伝子に多数の遺伝子変異の蓄積が認められたが、肝硬変なき肝癌では遺伝子変異が少なく、TP53遺伝子など癌抑制遺伝子を含む染色体の部分欠失が高頻度に認められた。このことからHBV陽性の肝硬変なき肝癌では染色体欠失が発癌に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌は遺伝子またはその担体である染色体の異常を誘因として発生する疾患であり、近年では異常遺伝子を標的とした治療が行われたり、遺伝子異常や染色体異常に応じて治療効果を予測し、治療内容を選択できるようになったりしている。 本研究ではB型肝炎ウイルスキャリアでしばしば問題となる若年・非肝硬変症例からの発癌における遺伝子や染色体の異常を明らかにすることにより、従来の肝癌とは異なる治療標的の発見やより適切な治療戦略の決定に示唆を与え、以て将来的な肝癌診療の向上に寄与する可能性がある。
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