研究課題/領域番号 |
20K22935
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0904:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中野 雄二郎 金沢大学, 附属病院, 助教 (10883895)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | aldosterone / obesity / miRNA-seq / 特発性アルドステロン症 / 血中microRNA / 脂肪組織 / マイクロRNA |
研究開始時の研究の概要 |
肥満IHA症例の血中エクソソーム内のmiRを次世代シーケンサーによって網羅的発現解析を行い肥満IHA特徴的に発現上昇しているmiRを抽出する。更にアルドステロン産生に影響しうるmiRに絞り込む。 肥満症外科手術の対象患者から血清と脂肪組織を採取する。候補miR発現を解析し脂肪組織内および血中発現が正相関するmiRを絞り込む。 副腎皮質細胞株やヒトAPAの初代培養細胞を用い候補miRの導入やノックダウンでCYP11B2発現やアルドステロン産生の変化を解析する。 肥満IHA患者の体重減少に伴う血中miR発現、アルドステロン自律産生の変化を解析する。
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研究成果の概要 |
原発性アルドステロン症(PA)は心血管疾患のリスクが高いとされる。生涯の内服が必要である特発性アルドステロン症(IHA)は肥満症との関連が指摘されており、満IHAにおいて特異的に上昇する血中マイクロRNA(miR)の病的意義について検討した。肥満IHA患者、非肥満IHAおよび肥満非IHA、4例ずつから血中エクソソームを抽出しmiR発現を網羅的に定量解析し特徴的なmiRを複数検出した。得られたmiRが制御する遺伝子群についてオンラインデータベースをもとに予測したところ、アルドステロン産生に関わる遺伝子群、複数のイオンチャネル発現、またはWntシグナルに関わる遺伝子群を制御しうることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の網羅的解析は過去の研究とは根本的に異なることにより、肥満症と特発性アルドステロン症(IHA)を結び付ける因子として複数のマイクロRNAを初めて同定した。この結果これらのマイクロRNAの病態意義を研究することで肥満症がIHAの原因になることの証明の足がかりとなる。その結果、肥満症の解消がIHAの軽快・治癒に繋がり、生涯のアルドステロン拮抗薬内服を回避する可能性が示唆される。すなわち、生涯のアルドステロン拮抗薬内服とは異なり、治癒を目標にしたIHA治療戦略が広がると考えている。
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