研究課題/領域番号 |
20K22949
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 梢 京都大学, 医学研究科, 助教 (80884329)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心臓 / iPS細胞 / マイクロ心臓組織 / 成熟化 / 脂肪酸 / 脂質代謝 / 心筋細胞 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトiPS細胞を用いた心臓再生医療においては分化細胞の未成熟性が課題である。我々は心臓を構成する多種の分化細胞による三次元組織化が成熟化に関わることをこれまでに見出したが、ヒト心筋組織に近い十分な成熟化には至っていない。一方、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の成熟化においてはエネルギー産生が主に糖代謝から脂肪酸代謝に変わる代謝スイッチが重要である。本研究の目的は、ヒトiPS細胞由来人工心臓組織の代謝スイッチによる成熟化メカニズムを解明し、そのプロセスを制御する方法を見出すことである。本研究により創り出される成熟化人工心臓組織は心疾患治療における新たな選択肢を広く提供するための学術的基盤となりうる。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞を用いた再生医療・創薬研究においては分化細胞の未成熟性が課題である。我々はヒトiPS細胞由来心筋細胞の成熟化においてエネルギー産生が主に糖代謝から脂肪酸代謝に変わる代謝スイッチが重要であることに着目し、脂肪酸存在下で3Dマイクロ心臓組織(CMT)の成熟化培養を行うことで、CMTを臨床応用に適用可能なレベルに成熟化させうるかを検討した。その結果、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸といった各種脂肪酸やDexamethazone,T3 hormone, PPARA agonistを複合的に作用することでCD36の発現が促進され電気刺激に対する応答性が成熟化傾向を示すことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の独自のiPS由来3Dマイクロ心臓組織は心筋細胞以外の多種心臓構成細胞で構成されている。心筋細胞以外の多種心臓構成細胞で構成されている組織を、脂肪酸添加をはじめとする複合的刺激の下で培養した際の挙動に関する知見はこれまで報告されていない。本研究により人工心臓組織の成熟に関わる新たな知見を提唱することができた。一方、本研究の目的である、人工心臓組織を成熟化させる方法の確立には、物理的刺激の併用などさらなる因子が必要であることも示唆された。
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