研究課題/領域番号 |
20K22951
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 理滋 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60870532)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HBV / インテグレーション / HBc抗体 / 非ウイルス性肝癌 |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫によりB型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を抑制した感染者(HBV既往感染者)は抗癌剤や免疫抑制剤投与時及び肝移植時以外は症状もほとんどないため、特に治療やフォローアップは必要無いと考えられてきた。しかし、近年、非ウイルス性肝癌患者においてHBV既往感染マーカーであるHBc抗体陽性の症例が一定数以上いる事が明らかになってきた。これはHBV既往感染者でも肝細胞癌(HCC)を発症することを示唆しているが、その詳細は明らかにされていない。そこで本研究では両者の関係性を明らかにするため、HBVゲノムのインテグレーションの観点からHCC発症メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
近年、非ウイルス性肝癌患者の中にHBV既往感染マーカーであるHBc抗体陽性の患者がいることが明らかになった。これはHBV既往感染と肝癌発症に関係性がある事を示しているが、どのようにHBV既往感染者は肝癌を発症するのか謎に満ちていた。そこで、実際の検体を用いてHBVゲノム挿入による発癌の影響を調べるため、次世代シーケンス解析を試みた。新型コロナウイルスの影響により次世代シーケンス解析ができなかったが、HBVゲノムの挿入が発癌に関与することを明らかにするため、既に培養細胞で報告されているHBVゲノムの挿入部位を欠損した時の影響を調べた結果、HBVゲノムの挿入は腫瘍形成に関与することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でHBVゲノムが挿入された培養細胞を用いて、CRISPR-Cas9システムでHBVのインテグレーション箇所を欠損させた場合、腫瘍形成が抑制されることを見出した。この結果と今後、HBc抗体陽性非ウイルス性肝癌のHBVゲノム挿入箇所を同定し、その変異の入ったマウスモデルを作製し、実際に同定した配列を標的とするCRISPR-Cas9システムで腫瘍形成が抑制された場合、これまで問題になっていたHBc抗体陽性非ウイルス性肝癌の新たな治療方法になる可能性がある。
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