研究課題/領域番号 |
20K22961
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0905:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
芝 聡美 自治医科大学, 医学部, 助教 (70721603)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ムチン / 腫瘍浸潤リンパ球 / 乳癌 / 多重免疫染色 / 固形腫瘍 / 腫瘍関連マクロファージ / 多重免疫色 / メトホルミン |
研究開始時の研究の概要 |
癌微小環境におけるムチンの質的・量的変化が、様々な癌腫の悪性度や薬剤抵抗性と密接な関係を持つ。また、がん組織における各種ムチンの発現が、リンパ球やマクロファージの組織浸潤や機能に重大な影響を与えている可能性が高いことが推測される。そこで、ヒト乳癌・膵癌の外科的切除検体を材料として、「ヒトがん組織におけるムチンの発現形式と免疫細胞の浸潤様式やフェノタイプにどのような関連性があるか?」という点を多重免疫染色法を用いて解明する。
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研究成果の概要 |
多重免疫染色によるイメージサイトメトリー解析技術を駆使して、糖尿病合併乳癌25例とpropensity scoreでmatchさせた糖尿病非合併乳癌25例の切除標本中のムチンの発現パターンと腫瘍浸潤免疫細胞を検討した。糖尿病の合併は、各ムチン発現の様式に顕著な差をもたらさなかったが、浸潤するM2マクロファージの割合を増加させ、CD8陽性Tリンパ球の割合を低下させて、免疫学的微小環境に変化を与えることで乳癌の病態や患者予後に影響を与えている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌は年々罹患数が増加しており、女性癌罹患率の1位を占めている。糖尿病は乳癌発症のリスク因子であるとともに乳癌の予後不良因子であることが報告されている。本研究結果は、糖尿病ががん微小環境を腫瘍許容的環境に変化させることを示唆しており、糖尿病合併乳癌の治療を考える上で重要な知見が得られたと考えられる。この方法論を駆使し、より多くのサンプルを用いて乳癌の免疫学的微小環境の包括的解析を行い、新規バイオマーカーの探索や治療法の開発につなげたい。
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