研究課題/領域番号 |
20K22979
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
梁 英敏 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20884050)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 尿路感染症 / 尿管ステント |
研究開始時の研究の概要 |
泌尿器科領域では尿管閉塞や尿流停滞を予防する目的に尿管ステント(Double J カテーテル)を留置する。しかし尿管ステントは長期の留置により、細菌・蛋白質・結石などの異物が付着するためステントが閉塞してしまう。既製品においても結石付着の予防を目的としてステント表面改質の工夫がなされているが、臨床現場にて閉塞による腰痛、腎不全、腎盂腎炎などの合併症に悩まされることが多く、未だにこれらの問題を解決する製品は無い。そこで本研究では、医工連携により創出した「高生体適合性・異物低付着性」の素材を用いて尿管ステントをコーティングし、閉塞を防ぐステントの開発を目的として研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では生体親和性が高く、かつ異物低付着性の生体類似材料を用いて尿管ステントをコーティングすることで、最も患者への害が大きいとされる結石の付着を抑止することで、既製品よりも長期間安全に留置でき、留置中の閉塞による感染症や腎機能低下の頻度も軽減する新規尿管ステントを創出した。人工尿を用いたin vitroにおける結石付着阻止効果の評価および尿路結石モデルラットへの膀胱内留置によるin vivo における結石付着阻止効果および生体適合性の評価を行い、in vitroおよびin vivoにおいて新規尿管ステントが4週間という長い期間で既存製品より結石付着を阻止できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本コーティングステントは結石形成のメカニズムの2つを抑制する親水性コーティング(細菌、蛋白質の付着を抑制)とpHコントロールコーティング(アルカリ性尿の環境を作らない)を1つのコーティング手法で同時に達成することが技術的に有利な点である。これはコーティング材料費用が半分で済み、経済的に有利な点にもなる。また本in vitroの結果は既製品ステントに比較し、明らかな結石、細菌、蛋白質の異物付着の抑制効果を示し、この効果が長期間維持でき、現在の3か月の最長留置期間を延長でき、患者さんの負担を軽減し、医療経済面でも効果が高い。
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