研究課題/領域番号 |
20K22981
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
河瀬 健吾 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (90881772)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 尿路結石 / 低酸素 / PHD阻害剤 / 腎結石 / PHD阻害薬 / HIF / メタボリックシンドローム / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
腎結石の発症頻度は急増し、再発予防法の確立は緊急課題である。これまでに私たちは、肥満モデルマウスにおいて尿路結石の形成が促進することを証明し、尿路結石がメタボリックシンドローム(MetS)の一病態であることを提唱した。また、酸化ストレスや炎症の亢進による尿細管細胞傷害が尿路結石の形成を促進することを証明し、傷害を抑えることで結石が予防できる可能性を見出した。一方で、MetSの病態には局所的な低酸素ストレスによる炎症が関与すると報告されており、その応答にHIFが重要な役割を果たしている。そこでHIFの制御による腎結石の新規治療薬の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
腎尿細管細胞(M1)に対して、control群とRoxadustat投与群にシュウ酸カルシウム結晶を添加し検討した。Roxadustat投与により結晶付着量が有意に減少し、Ccl2、Spp1の発現の減少を認めた。 次に、control群とHif1αをknock downしたM1を作成し、Roxadustatを投与し同様の検討をした。Hif1αをknock downで、結石形成量は増加し、Ccl2、Spp1の増加を認めた。 最後に、結石モデルマウスに対しroxadustatを投与し検討した。Roxadustat投与群で結石形成が抑制され、Ccl2、Spp1、Tnfα、Emr1の発現が減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では主にPHD阻害剤であるRoxadustatが腎結石形成に与える影響を検討した。Roxadustatは結石形成の初期段階であるシュウ酸カルシウム結晶の付着による炎症と、それに伴うマクロファージの浸潤を抑制することで結石形成が減少していることが確認できた。Roxadustatはすでに腎性貧血を対象に臨床応用されていることから、人体への投与の安全性は確立されている。そのため、今後結石患者に対しての臨床応用が期待できる。
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