研究課題/領域番号 |
20K23015
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河阪 幸宏 東北大学, 大学病院, 医員 (40880448)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | iPS細胞 / 血管 / 軟骨 / バイオロジー / 骨再生 / 軟骨再生 / VEGF / スキャフォールドフリー |
研究開始時の研究の概要 |
大規模な顎骨欠損を回復させる骨再生技術の開発は、歯科補綴学の発展にとって重要な課題である。しかし、既存の骨芽細胞に焦点をあてた膜性骨化による再生アプローチでは、その再生量には限界がある。そこで近年、移植細胞の軟骨内骨化を利用した骨再生技術が注目されている。軟骨内骨化では軟骨基質への血管新生誘導が重要であるため、申請者は血管新生作用を強化した軟骨細胞を移植することで、大規模骨欠損再生を達成するアプローチを着想した。本研究の目的は、VEGF遺伝子制御性iPS細胞由来軟骨細胞移植による軟骨内骨化を介した、新たな顎骨再生技術の開発の基盤を確立することである。
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研究成果の概要 |
トランスポゾンを用いたマウスiPS細胞へのVEGF-A遺伝子導入実験を行なったところ、VEGF-A遺伝子の導入効率が非常に低く、遺伝子導入iPS細胞の作製が困難であった。そこで、細胞の分化を促進すると報告のある(V Wei, et al., 2019. Adv Mater)、異なる3種類のキラリティーを有する3次元細胞外マトリックスゲル内でHUVECを培養し、血管新生作用を有するスフェロイドの作製を行うこととした。3次元細胞外マトリックスゲル内でHUVECは血管マーカー遺伝子の発現を上昇し、ラット頭蓋骨欠損部位への移植を行うと、欠損部において血管新生を促進したことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷や腫瘍の摘出、歯周病によって顎骨に大規模な欠損が生じた場合、インプラントを用いた補綴歯科治療が困難となる。しかしながら、既存の骨造成術の効果は未だ十分ではなく、幹細胞を用いた新規骨再生技術の開発に期待が寄せられている。 本研究の意義は、顎骨再生にiPS細胞由来軟骨細胞の軟骨内骨化を応用する点にあり、このような試みはこれまでに 国内外の報告はなく新規性および創造性が高い。骨組織の再生過程において軟骨内骨化と 膜性骨化という骨化様式の違いに焦点をあてることで、発生様式の違いおよび欠損の大きさの違いによる骨再生機序の解明にも繋がるため骨再生医療の先端的研究になり得る。
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