研究課題/領域番号 |
20K23034
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平山 真弓 熊本大学, 病院, 医員 (40876364)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔がん / RNA修飾 / FTO / 口腔癌 |
研究開始時の研究の概要 |
RNAの転写後修飾のひとつであるN6-メチルアデノシン(m6A) 修飾は、mRNAの安定性や翻訳促進などに関与しており、脱修飾酵素のひとつである「FTO」によって除去される。我々は、口腔癌細胞においてFTOが細胞周期制御因子の一つであるサイクリンD1 mRNAにおけるm6A修飾レベルを制御し、細胞周期依存的にサイクリンD1の発現を調整していることを見出した。この結果を基に、本研究では口腔癌患者の診断と治療に応用するためにFTOをターゲットとした新規バイオマーカーや新規治療法の検討を行う。
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研究成果の概要 |
RNA修飾は、細胞の増殖や分化において重要な役割を果たしており、様々な疾患のバイオマーカーや新規治療法のターゲットなど、新しいアプローチとなることが期待されている。本研究ではmRNA転写後修飾のひとつであるN 6-メチルアデノシン(m6A) 修飾に着目し、口腔がんにおける新規バイオマーカーとしての役割を見出すことを目的に研究を行った。m6A修飾は、口腔健常組織と比較して口腔腫瘍組織で修飾レベルが有意に低いことがわかった。またFTOの発現は、腫瘍組織で高く、FTOの発現とサイクリンD1の発現に相関性を認めた。このことから、FTOの発現レベルが口腔がんのバイオマーカーとなり得る可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
5-アザシチジンなどのDNAメチル化阻害薬やボリノスタットなどのヒストン脱アセチル化酵素阻害薬阻害剤といったエピゲノムを標的とする治療薬は国内でも承認されており、がんや生活習慣病の治療薬として応用されている。一方エピトランスクリプトームを標的とする治療薬については、未だ機序が明らかになっていないことから、バイオマーカーや新規治療薬の標的として応用できるといった報告は未だなされていない。本研究は、口腔がん組織でFTOが高発現し、サイクリンD1の発現と正の相関性があることを見出したことから、今後口腔がんにおける新規バイオマーカーとしての役割や治療標的としての応用に十分期待ができると考える。
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