研究課題/領域番号 |
20K23039
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
相馬 久実 日本大学, 歯学部, 専修医 (50875820)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胎生期母体ストレス / 三叉神経節 / serotonin / Nav 1.8 / セロトニン / 妊娠期ストレス / 胎児期の母体ストレス / 一次侵害受容ニューロン / CCL2 / Nav |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、妊娠中の過度なストレス負荷は胎児の三叉神経節内のセロトニンとCCL2発現に可塑的変化をもたらし、その変化が生後の顎顔面領域の感覚情報、特に疼痛情報伝達系にどの様な影響を及ぼし、成長後の口腔顔面痛に関与するかどうかを明らかにする。感覚神経情報伝達系の形成過程における母体のストレス負荷が成体の感覚生理機能にどの様なメカニズムで、いかなる影響を及ぼすかに関しては、ほとんど解明されていない。本研究の推進により、妊娠中の過度なストレス負荷が仔の三叉神経節内のセロトニンとCCL2発現に変化をもたらし、成長後の一次侵害受容ニューロンの興奮性を増強し口腔顔面痛を引き起こすのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
妊婦へのストレス負荷は、胎児の脳神経系機能の発達に影響を与えることが示唆されている。本研究では、母体ストレス負荷による胎生期ストレスモデルにおける顔面部の疼痛感受性変化とその発症メカニズムを解明することを目的とした。その結果、胎生期ストレスモデルラットは、成体期に顔面部機械アロディニアを生じること、また、その発症には三叉神経節におけるセロトニンおよびNav 1.8が関与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、妊娠中のストレス負荷による口腔顔面領域における胎児の痛覚情報伝達機構への影響については不明であった。本研究により、胎児期における母体ストレスが生後の異常疼痛の発症を引き起こすメカニズムの一端が明らかになったことから、母体へのストレス負荷が誘因と考えられる患児に対する異常疼痛発症予防への応用が期待できる。将来、末梢神経系のセロトニンやNav1.8をターゲットとした薬物治療により、胎生期母体ストレスに起因した異常疼痛発症の抑制に役立つ可能性がある。
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