研究課題/領域番号 |
20K23045
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
板井 俊介 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40878401)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カヘキシア / 低栄養 / 栄養不足 / 摂食嚥下 / 体重減少 / 悪液質 / 炎症 / 栄養 / イートロス |
研究開始時の研究の概要 |
緩和医療における重点課題として疼痛、うつ、カヘキシア(悪液質)が挙げられている。中でもカヘキシアは栄養失調により衰弱した状態であり、食欲不振と脂肪組織及び骨格筋量の進行性減少を伴う多因子性の症候群で、がん患者の50~80%に発症するとされている。しかし未だその発生機序や病態生理など未知な部分が多い。今後も罹患者の増加が見込まれるカヘキシアの本態の一つである”食べられない(栄養失調、イートロス)”に対し、口腔領域を専門とする歯科がその専門性を活かし、率先してその解決策を講じることが必要と考える。本研究ではそのようなカヘキシアの発症メカニズムについて、モデルマウスなどを用いて探索、解析していく。
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研究成果の概要 |
緩和医療における重点課題としてカヘキシアが挙げられ、これは栄養失調により衰弱した状態である。我々はカヘキシアに関する評価項目や診断マーカーの確立、原因解明を目指している。本研究では、カヘキシアの原因の一つである栄養摂取不足の観点から研究を行った。 栄養に関連する項目に焦点を当て調べたところ、栄養摂取に必要な摂食嚥下には呼吸、咀嚼、姿勢が重要な因子であることを解明した。また食事摂取時のSpO2濃度と嚥下の状態、頸部周囲長と食事摂取状態、体重減少と栄養状態に関連性があることもわかってきた。これらから、今回の調査項目は栄養不良の状態と関連があり、カヘキシアを惹起する一因である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
WHOが公表する緩和医療の重点課題には、うつ、疼痛、カヘキシアが挙げられる。カヘキシア以外に関しては、その治療法や評価方法等がある程度確立している一方で、カヘキシアに関してはあまり研究が進んでいない。すでに超高齢化社会である本邦では、今後カヘキシアの状態となる人が増加することが見込まれるため、その対応や予測・予防手段を確立することが重要である。本研究は、カヘキシア状態である栄養不足自体の予測や評価、診断の一助となりうる項目をいくつか見出した。その点で、学術的および社会的にもその意義は大きいと考えられる。今後エビデンスを蓄積し、予防や予測、治療法を確立していくことが望まれる。
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