研究課題/領域番号 |
20K23053
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹村 萌 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (20876635)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺炎球菌 / 敗血症 / BgaA / 菌体表層タンパク質 / 糖鎖分解酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎球菌は細菌性肺炎のもっとも主要な原因細菌である。口腔・鼻咽腔領域に定着する本菌は肺炎を発症させるとともに血流に伝播し、髄膜炎や敗血症等の侵襲性感染症を起こす。これまで、感染初期に肺炎球菌の定着や免疫回避に重要である菌体表層タンパク質が報告されてきた。しかし、病態増悪期において菌体表層タンパク質が果たす役割に不明な点が多い。本研究では、肺炎球菌の細胞壁架橋型表層タンパク質群のうち、詳細な機能が不明であるβ-ガラクトシダーゼBgaAに焦点を当て、BgaAが病態増悪過程で果たす役割を解析する。そして、肺炎球菌感染症の新たな治療法や予防法の開発に繋がる礎を築く。
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研究成果の概要 |
肺炎球菌は、肺炎、髄膜炎、敗血症などの侵襲性疾患の主要な原因菌として知られている。本研究では、敗血症における病原因子としてのBgaAの役割を評価するために、in vitroおよびin vivoのアッセイを実施した。その結果、BgaAが宿主の組織障害や血液凝固を誘導する多機能な病原因子として機能していることが示唆された。すなわち、BgaAは肺炎球菌感染症を制御するための創薬やワクチン開発の魅力的なターゲットとなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎球菌の病原因子において、血液凝固に寄与する分子を初めて報告した。これまでに細菌感染において、宿主の血液凝固反応は注目されてこなかった。今後、本研究で実施した手法を応用することで、他の敗血症の原因菌となる病態解明につながることが期待される。また、糖鎖分解酵素であるBgaAは肺炎球菌で広く保存されており、有効な創薬標的となりうると考えられる。
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