研究課題/領域番号 |
20K23066
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
Chang Emily (張うえか) 日本大学, 松戸歯学部, 専修医 (50875309)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 舌下ワクチン / GroEL / HSP60 / 経粘膜ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、我が国において慢性炎症性疾患は増加している。歯周病はリスクファクターの一つであり、予防を目的としたワクチン開発が求められている。中でも粘膜免疫システムを応用した経粘膜ワクチンは粘膜局所と全身に効果的に特異抗体を誘導する手法として注目されている。本研究では舌下投与による粘膜免疫システムの活性化機序や舌下ワクチン投与による血液中や粘膜外分泌液中に誘導される抗原特異的抗体の誘導機序や歯周炎の発症を予防・軽減効果を解明することを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究では歯周炎の発症抑制や軽減することを目的に舌下ワクチンの開発を目標とした。代表的な歯周病原性細菌であるPorphyromonas gingivalis が産生する熱ショックタンパクGroELを抗原とし、粘膜アジュバントにはCpG-ODNを用いた。舌下投与により、血清および唾液中にGroEL特異的抗体が誘導され、歯肉炎や歯槽骨の吸収を抑制することを示した。また、唾液腺に成熟型樹状細胞が誘導され、2型ヘルパーT細胞の誘導を認めた。以上より、GroEL-CpGODNの舌下投与は歯周病予防に有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
経粘膜ワクチンは抗原が誘導組織を介して取り込まれ、所属リンパ組織で抗原特異的抗体産生細胞が活性化される。特異的抗体産生細胞は全身循環により粘膜局所や血液中に抗原特異的抗体を産生し2段構えの生体防御システムが作り出される。これまでに胃内や鼻腔内投与により効率的に抗原特異的抗体が産生されることが報告されてきた。しかし、高濃度の抗原を必要としたり、中枢神経に障害を誘発する危険性などが指摘されたことから、舌下投与が注目されている。本研究では舌下投与による抗原特異的免疫応答システムの解明により歯周炎や歯周炎関連疾患の発症予防、軽減効果を検証することは我が国における国民の健康増進に寄与すると考えられる。
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