研究課題/領域番号 |
20K23076
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和唐 薫子 大阪大学, 歯学研究科, 特任助教(常勤) (60876803)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | IgA腎症 / う蝕原性細菌 / 歯周病原性細菌 / Streptococcus mutans / Campylobacter rectus / IgA 腎症 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、小児 IgA 腎症患者の口腔サンプルより分離したコラーゲン結合能を有するストレプトコッカス・ミュータンス菌をラットの頸静脈から直接血液中に投与して侵入させ、病態の発症を検討する。また、う蝕原性細菌および歯周病原性細菌の混合感染を試み、それぞれの菌株を単独で感染した場合と比較して病態の発症に相違が認められるかどうかを検討したいと考えている。さらに、IgA 腎症の発症が認められた群において、菌株の単回投与に加え、最初の菌株の投与から間隔をあけた複数回の投与により持続的な疾患の発現が認められるかの検討も行う。
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研究成果の概要 |
IgA 腎症は、慢性糸球体腎炎の中で最も頻度が高く、末期腎不全に進展しうる予後不良な腎臓疾患である。しかし、その原因やメカニズムに関しての詳細については不明な点が多い。本研究では、IgA 腎症患者唾液中より分離したコラーゲン結合能を有する Streptococcus mutans が IgA 腎症の発症に関連している可能性についてラット頸静脈投与モデルを用いて検討した。その結果、コラーゲン結合能を有する S. mutans が血液中に侵入することで、IgA 腎症様腎炎が引き起こされる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、口腔細菌と腎臓疾患との関連性を検討した報告はほとんどなく、う蝕原性細菌と IgA 腎症の関連性の報告はない。本研究における腎臓疾患メカニズムを唾液中の細菌を用いて分析した点は、S. mutans の全身への影響に関する研究の一環と位置付けて遂行するところが学術的な特色であるとも言える。さらに、口腔細菌や歯科疾患に関連する IgA 腎症のメカニズムの一端が明らかになることで、新規治療の開発につながる可能性もあり、画期的なアプローチによって当該患者に対する利益に加えて、医療経済的にも大きな社会貢献が期待できると考えられる。
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