研究課題/領域番号 |
20K23078
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上野 祥夫 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (50880118)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 術後レム睡眠リバウンド / 周術期管理 / 術後せん妄 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔外科手術後に生じるレム睡眠リバウンドは、術後せん妄状態の発症に関わる可能性がある。また、反復型低酸素血症、心筋虚血の原因としても問題となっている。術後レム睡眠リバウンドの病態生理を解明できれば、術後せん妄や突然死を回避する方法の開発に役立つ。本研究では、術後レム睡眠リバウンドを誘発する実験動物を作成し、術前後の状態を再現した上で、睡眠・脳波・心電図・筋電図などを記録して、行動の変化、脳波活動等を調べる予定にしている。
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研究成果の概要 |
口腔外科手術後のレム睡眠リバウンド発現の実験モデルを開発するため、実験動物を用いて、無処置のコントロール群、イソフルラン全身麻酔群、イソフルラン全身麻酔下で舌部分切除手術を施した群を作成し、術後の睡眠覚醒状態を70時間にわたって記録した。手術群では、他の2群と比較して、睡眠覚醒周期は維持されていたが、記録期間中の覚醒量が多い傾向を認めた。また、術後直後の暗期ではレム睡眠の発現量は低下したが、続く明期では著明な変化を認めなかった。その一方で、覚醒時のθ波活動が低下しない可能性を認めた。本実験系は、口腔外科手術における術後レム睡眠リバウンド発現や睡眠障害の動物モデルとなりうる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔外科臨床では、術後せん妄は術後2、3日の意識清明期を経て発症する。術後レム睡眠リバウンドは、上気道拡大筋の著明な弛緩により、気道閉塞による反復型低酸素血症を引き起こし、術後せん妄を発症させる可能性がある。しかし、術後のレム睡眠リバウンドなどの口腔外科手術の周術期に発生する現象は、安全面からも倫理的な側面からも患者において生理学的事象を測定することは困難である。本研究成果により全身麻酔下の口腔外科手術後の影響を実験動物で測定することにより、麻酔薬や手術内容による術後睡眠の発生原因の解明や、その対応や診断方法を開発するうえで有用な実験系の1つとなりうる点で学術的な意義があると考える。
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