研究課題/領域番号 |
20K23106
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堅田 千裕 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20876677)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯髄 / 再生歯学 / 生体材料 / 歯髄幹細胞 / 血管 / 神経 / 神経網 / 再生 / 根管治療 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
歯髄は歯の寿命に強く関わり、歯髄再生療法は健康寿命を延ばすうえで大きな意義を持つ。我々は、in vitroで構築した人工歯髄様組織を無髄歯根管内に移植することで歯髄再生を達成する新たな再生医療技術の確立を目指し、そのなかで歯髄幹細胞のみからなる細胞集合体の作製に成功し、集合体を構成する細胞を分化誘導することで内部に血管網が形成されることを報告してきた。しかし、血管と神経に富む天然歯髄に遜色ない組織の創製には至っていない。そこで本研究では、血管と神経を併せ持つ人工歯髄様組織を創製することを目的とする。血管網を持つ細胞集合体を神経分化誘導し、生体材料学的検討を通じて臨床応用への足掛かりを築く。
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研究成果の概要 |
本研究では,歯髄幹細胞(DPSC)のみからなる集合体を無髄歯根管内に移植することで歯髄再生を達成する,新たな歯髄再生技術の確立を目指した. 本研究の結果,DPSC集合体を血管内皮細胞分化誘導培地で培養することで,集合体内に血管様構造が形成されることが分かった.さらに,血管構造をもったDPSC集合体は高い歯髄再生能を有することが示された.また,神経細胞分化誘導培地で培養した集合体内部には,組織学的・電気生理学的検討から,イオンチャネルをもった神経細胞が形成されていることが分かった.これらの結果から,作製したDPSC集合体は,機能的な歯髄再生を可能にする新規生体材料として応用できる可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,スキャフォールドフリーで移植可能かつ機能的な歯髄様組織をin vitroで創製する技術の確立に成功した.本研究のように,細胞集合体内にin vitroで血管網や神経網を構築する手法に関して,類似する研究例は国内外をみても存在せず,本研究成果のもつ学術的意義は大きい. さらに,本研究で確立した三次元組織内に幹細胞由来の血管網および神経網を形成する技術は,脊髄や四肢の外傷性損傷の治療に用いる生体材料にも応用可能であり,本研究の成果は再生医療分野において重要な知見であると考えられる.
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