研究課題/領域番号 |
20K23113
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川島 万由 九州大学, 大学病院, 医員 (90876541)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シェーグレン症候群 / サイトカイン / 活性化Tリンパ球抑制 / IL-10 / 制御性T細胞 / TGF-β/ Smad経路 / 歯髄幹細胞培養上清 / 活性化T細胞 / Th17細胞 / 歯髄幹細胞 / 培養上清 / 間葉系幹細胞 / 免疫抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
シェーグレン症候群(SS)は自己免疫疾患の一つであり、ドライマウスやドライアイを 主症状とする慢性炎症唾液腺疾患である。未だ、その根本的治療法は確立されていない。一方、我々の研究において、DPSC-CM と BMMSC-CM 中に免疫抑制能や抗繊維化作用もつ種々のサイトカインが著明に高いことを明らかにした。そこで、本研究では CM の SS に対する自己免疫反応の制御を検証する。
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研究成果の概要 |
ヒト歯髄幹細胞培養上清(DPSC-CM)には、抗炎症作用や免疫調節作用などを促すサイトカインが含まれており、活性化T細胞の抑制に効果的であった。シェーグレン症候群モデルマウスを用いた実験において、唾液量は、他群と比較して、DPSC-CM群にて増加し、マウスの顎下腺の炎症部位の数は、他群よりも少なかった。 インターロイキン(Il)-10とトランスフォーミング成長因子-β1の発現レベルはDPSC-CM群で上昇したが、Il-4とIl-17aの発現レベルは抑制された。 DPSC-CM投与群は、他の群と比較して、制御性T細胞の割合が大幅に増加し、Th17細胞の割合が大幅に減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト歯髄幹細胞培養上清(DPSC-CM)は、顎下腺の唾液分泌機能を促進させる。これは、DPSC-CMが炎症性サイトカインの発現を減少させ、TGF-β/ Smad経路を介して脾臓に制御性T細胞を誘導後、局所的な炎症性微小環境を調節し、顎下腺のアポトーシスを減少させることによって、シェーグレン症候群による唾液分泌低下を抑制する。 DPSC-CMによる活性化T細胞の分化の調節は、この免疫調節機構が関わっている可能性が高い。 したがって、この研究は、DPSC-CMの新しい効果を明らかにし、シェーグレン症候群の新規治療となり得ることを示唆している。
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