研究課題/領域番号 |
20K23140
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
大内 玲 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (90880493)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 集中治療後症候群 / 身体機能 / QOL / 慢性疼痛 / 感覚障害 / 集中治療 / クリティカルケア / PICS / 身体機能障害 / ICU退室後症候群 / 感覚機能障害 / フレイル / 集中治療後症候群(PICS) / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
集中治療を受ける患者は、手術侵襲や感染により高炎症状態にある。多くの急性疾患は原因が解決されれば回復へ向かうが、一部の症例では炎症状態が続き、それを起因として筋力低下、脳機能低下が起きやすいことが報告されている。ICU退室後も続く身体や精神状態の障害を、集中治療後症候群(post intensive care syndrome: PICS)と呼び、生活の質を低下させる重大な問題となっている。集中治療における後遺症である身体機能障害・感覚機能障害発生(長期的な皮膚感覚の異常、味覚の異常、疼痛など)の実態調査をし、その関連要因を明らかにすることにより、PICSの予防につながると期待される。
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研究成果の概要 |
日本国内の2施設のICUで郵送調査を実施した。24時間以上の人工呼吸管理を必要とし、ICU退室後6ヶ月経過した患者を対象とした。調査には疼痛の有無と程度、感覚障害の有無と程度、QOLに関する内容を含めた。70人に郵送によるアンケート調査を実施し、51名から回答を得た。慢性疼痛の有病率は0.69[95%CI 0.55-0.81]であり、中等度以上の痛みは0.27[95%CI 0.15-0.41]で認められた。感覚障害の有病率として聴覚障害0.27[0.16-0.42]、視覚障害0.23[0.13-0.37]の割合が多かった。何らかの身体機能障害が認められた患者は58%に及んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、重症疾患後の集中治療後症候群(身体障害、精神障害、認知機能障害)には現状では含まれていない患者の愁訴に着目した研究である。持続する疼痛や感覚障害といった症状はQOLに関わる症状であり、重症患者の長期的なQOLの向上を目指すためには、慢性疼痛や感覚障害などマイナーな症状の実態解明とケア方法の確立が必要となる。今後、ICU入室中の苦痛症状との関連性の調査や、調整可能なリスク因子の解明から適切なケア方法を検討する必要がある。
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