研究課題
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近年フレイル対策の1つであるオーラルフレイル等の包括的口腔機能評価が重要視されている。特にオーラルフレイルは全身機能の低下に影響することから、早期に口腔機能の低下を予防することが重要である。一方で、包括的口腔機能評価と栄養状態の関連については、学術的な検討の余地は残されている。本研究の目的は、包括的口腔機能評価と栄養状態との関連を明らかにすることであり、これによって口腔機能の重症化予防や栄養介入が推進される契機になると考えられる。
本研究では、オーラルフレイルと栄養評価の1つである食品摂取の多様性得点との関連を横断的に検討した。地域在住高齢者を対象に、田中らの基準を参考にオーラルフレイルの評価、食品摂取の多様性得点等を評価した。統計解析の結果、口腔機能が健常な者と比較してプレオーラルフレイル群は約1.6倍、オーラルフレイル群は2.8倍、食品摂取の多様性得点が有意に低いことが示唆された。以上のことから、高齢期において食品摂取の多様性得点の活用はオーラルフレイルの状態を把握することに有用である可能性が推測された。
健康長寿の延伸を目指すにあたり、口腔機能を良好に保ち栄養状態を維持することが重要である。本研究ではフレイル対策の1つであるオーラルフレイルに着目して栄養評価の1つとの関連を明らかにすることができた。食品摂取の多様性得点は日常生活でも気軽に使用することができるツールであり、栄養バランスの見直しや口腔機能低下に対する意識を持つきっかけとして有用であるため、本研究結果は学術的・社会的意義が大きいと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
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