研究課題/領域番号 |
20K23224
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 真理子 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10553399)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PFAS / 内分泌攪乱物質 / 脂質代謝異常 / 糖尿病 / 有機フッ素化合物 / 脂質異常症 / 環境要因 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病、脂質異常症などは循環器疾患の重要なリスクファクターであり、予防の重要な対象となっている。これらのリスクファクターについて、生活習慣、遺伝的素因の研究が数多くなされているが、環境要因からの研究は限られている。本研究では、化学環境要因、特に近年、世界的に汚染が広がっている有機フッ素化合物などの内分泌かく乱化学物質の影響を疫学的に研究する。ドック検診などの対象者(約2000名)の血清検体から対象の化学物質曝露を評価する。測定には開発された高感度、低コスト分析法を利用する。得られた曝露情報から糖尿病、脂質異常症の関連指標に与える影響について、関連する生活習慣を含めて統計解析を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究ではPFASが脂肪酸代謝などとの関連を検討した。また血清中PFASと魚介類摂取の生物学的指標であるn-3系多価不飽和脂肪酸との関連を検討した。PFOA、PFNAなどはパルミトレイン酸、エイコセン酸などのオメガ-9モノ不飽和脂肪酸と関連していた。重回帰分析においても類似の結果が得られた。エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比(EPA/AA)は魚介類摂取量を示すバイオマーカーとして知られている。EPA/AAといくつかのPFASは正の相関を示した。年齢、性別を調整し、共分散分析を行ってもEPA/AA と血中PFAS濃度との間に有意な相関が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PFASはその安定性や水や油をはじく性質から、撥水剤・表面処理剤などに使用されてきた。水にも油にも溶けやすい、かつ難分解性で蓄積性が高いことから、環境中に広範囲に存在している。健康影響が懸念されているが、代謝についても影響しうるとされる。PFASによる脂質代謝への影響の一端として、細胞内の受容体PPARaを介することが細胞、動物実験で示されてきたが、ヒトでの観察研究においても関連を示された。その結果は不飽和脂肪酸への代謝が増加しており、メカニズムに合致した。またエイコサペンタエン酸との関連も示されたことは、PFAS摂取の経路として魚介類によるものが一定の寄与があることを示した。
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