研究課題/領域番号 |
20K23235
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石井 貴弥 国際医療福祉大学, 医学部, 助手 (30882716)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 視覚経路 / in situ ハイブリダイゼーション / mRNA定量 / Retinotopy / 中枢神経機能再生 / 視覚回路 / 神経配列 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の中枢神経系では、ニューロン間の線維連絡がひとたび切断されると、2度と元には戻らない。切断された軸索が再伸長することはなく、ましてや元のニューロン同士の線維結合が再構築されることもない。本研究では、ラットの視覚系(網膜-視神経回路)を中枢神経障害のモデル実験系とし、げっ歯類の視神経損傷後に末梢神経移植による再建を行うことによって、網膜-視神経系の1対1の線維連絡が、どのように形成され、また何故再構築しないのかを探る。本研究は、高度な中枢神経機能再生の可否についての手掛かりを得ようとするものである。
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研究成果の概要 |
視神経を切断した成獣ラットの中脳上丘におけるEphA5、ephrinA2の発現分布と偏在性、細胞1個単位での発現強度を明らかにした。同側と対側の上丘におけるEphA5とephrinA2の発現量は、どちらも対向的な濃度勾配を呈しており、同側よりも対側の方が、発現量が高い傾向が認められた。この変化は軸索誘導を誘発するものなのか、視神経切断によるシナプス入力喪失に起因するものなのかは、今後の検討課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視神経損傷後に再発現したEphA5とephrinA2が、発達期と同様の現象なのか、投射する視神経再生の誘導に備えての反応なのか、再伸長した視神経のシナプス再結合を阻害する反応なのかという疑問点は、未だに解決されていない。両分子が視神経損傷後に、網膜神経節細胞と上丘の「どの部分で」、「どの程度」分布し、かつ細胞単位での「定量的な発現量」を明らかにする必要がある。哺乳類でRetinotopyを備えた視神経回路の再構築が起こらない理由、および末梢神経移植によってもRetinotopyが再構築されない理由が明らかになれば、脊髄運動系の機能再建等を含めた将来の中枢神経機能再生へと応用できる可能性がある。
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