研究課題/領域番号 |
20K23240
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜保健大学 |
研究代表者 |
小野 悟 岐阜保健大学, 看護学部, 准教授 (80884171)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 精神疾患 / 衝動性 / 行動化 / 統合失調症 / トラウマインフォームドケア / 長期入院 / 衝動行為 |
研究開始時の研究の概要 |
精神科救急医療の充実により精神病床に入院する患者数は減少傾向にある一方で、急性期治療を終えたとしても精神症状が遷延し、入院治療継続を余儀なくされる患者は1年以上の長期入院患者のうち約6割を占める。本研究は急性期治療を終えても精神症状が不安定で衝動的な行動化により入院継続の必要性がある患者への具体的看護実践方法について、病棟看護師と共にアセスメントを深め、患者の行動化の背景にある思いや体験に寄り添った看護のあり方を追求するものであり、それにより新たな長期入院を予防することに寄与できる知見を得るものである。
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研究成果の概要 |
対象者は、看護師にまずは行動の背景にある理由を聞いてほしい、その理由をわかった上で対応してほしいというニーズを抱いていた。実践上の課題をもとに『患者の調子のよいと判断できる時に世間話などの何気ない会話をしてみる』などの具体的実践方法を考案し、実践した。対象者からは、【急に引っ張られると怖くなって暴れてしまうが、どうしたの?と話を聞いてもらうことで落ち着いた】との評価があった。看護師からは、【かかわる機会や一緒にいる時間が増えたことで、思いを表現できるようになり、患者の体験がわかるようになった】、【丁寧に聞いていくことで行動の背景にある思いや体験がわかると理解して対応できる】などの成果があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神症状が不安定で行動化の見られる患者の背景にある思いや体験に寄り添う看護としては、患者の精神症状をかかわりの中で観察し、その時の調子を判断できることがまずは基盤となる。そのうえで調子が良いと判断できる時には、かかわりの中で患者との関係性を構築し、患者の思いを引き出すかかわりを継続していくこと、引き出した思いから行動の背景にある思いや体験を理解してケアの方向性を考えていくことが重要になる。 その過程では患者とのかかわりの中で得た情報やアセスメントをスタッフ間で共有すること、かかわりにおける悩みや不安、怖さを表現できるスタッフ間のコミュニケーションが看護実践を継続・発展させていく重要な要素となる。
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