研究課題/領域番号 |
20K23258
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
持田 淳美 (齋藤淳美 / 齋藤) 国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (80709022)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | KATPチャネル / ジアゾキシド / グリベンクラミド / 情動行動 / ドパミン / Kir6.2 / ストレス適応 / 情動 / ドパミン神経 / ストレス / 不安 / かんぴょう / クロマカリム / ATP感受性カリウムチャネル / カリウム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、カリウムの積極的な摂取が、血圧低下、脳卒中予防、骨粗鬆症予防につながることが示唆されている。申請者らはこれまでに、脳内ATP感受性K+(KATP)チャネルのサブユニットのひとつであるKir6.2が、情動調節及びストレス応答において重要な役割を担っていることを見出していることから、カリウムは循環器系の健康増進のみならず、メンタル面においても健康増進作用を有しており、ヘルスプロモーションへの寄与が期待される。 本研究では、急性的な情動ストレス反応や慢性ストレスによる適応障害に対するKATPチャネル開口薬及びカリウムを多く含むかんぴょうの有効性とそのメカニズムについて解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
ATP感受性カリウム(KATP)チャネルを構成するサブユニットのひとつであるKir6.2が情動調節及びストレス応答に重要な役割を担っていることを見出している。本研究では、KATPチャネルを化学的に調節することにより急性的なストレス応答や慢性ストレスによる適応障害に及ぼす影響について検討した。1日1回1時間の拘束ストレスを14日間負荷するストレス適応モデルマウス作成時に、KATPチャネル開口薬であるジアゾキシドをストレス負荷60分前に連日投与した結果、ストレス適応の形成が障害される傾向が認められた。このことから、ストレス適応の形成機構にKATPチャネルが関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在臨床で使用されている精神疾患治療薬は、神経伝達物質の受容体や取り込み機構を制御するものが主であるが、効果発現までに時間がかかるなどの問題点が多く、新たな作用機序を有する新規治療薬の開発が切望されている。 本研究では、KATPチャネルを化学的に制御することにより、ストレス適応の形成が障害される傾向が認められたことから、ストレス適応の形成機構にKATPチャネルが一部関与している可能性が示唆された。今後さらに詳細なメカニズムについて解明する必要があるものの、この知見は、従来とは異なったコンセプトのストレス性精神疾患に対する予防・治療戦略を提案できる可能性があると考える。
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