研究課題/領域番号 |
20K23262
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
本島 直之 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (70884352)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脳卒中片麻痺者 / 起立動作 / 重度麻痺 / 三次元動作解析 / リハビリテーション / 失敗 / 起立困難 / 回復期 / 離殿 |
研究開始時の研究の概要 |
回復期の脳卒中片麻痺者(片麻痺者)が立ち上がり動作に失敗する際の体幹と下肢の運動学的・運動力学的要因を明らかにする。一般的には計測困難な立ち上がりに失敗する試行を過去4年間、約1200件の三次元動作解析を用いて行った計測データから抽出する。①同一被検者の立ち上がり失敗時と成功時の比較②立ち上がりに失敗する片麻痺者と成功する片麻痺者の比較③立ち上がりの困難な片麻痺者が立ち上がり可能となるまでの経時的変化を解析する。これらより立ち上がりを困難にしている要因を明らかにすることを目的とする。目的が明らかになれば、効果的なリハビリテーションの介入方法の確立に寄与でき、発展性のある研究であると考える。
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研究成果の概要 |
本研究は起立動作に失敗する脳卒中片麻痺者の運動学・運動力学的特徴を明らかにすることを目的とした.対象者は起立に失敗する脳卒中片麻痺者26名(起立失敗群)と起立に成功する脳卒中片麻痺者(起立成功群)25名の計51名とした.各群の起立成功時の比較では,起立失敗群が離殿までの骨盤および胸郭の前傾と離殿前の股関節屈曲モーメントが小さく,離殿後の股関節伸展モーメントおよび非麻痺側足部荷重率が起立成功群よりも大きかった.起立失敗群10名を対象とした縦断解析からは,成功時期で離殿前の股関節屈曲モーメントと離殿時の胸郭前傾角度が失敗時期よりも大きかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで報告がなかった起立動作に失敗する回復期脳卒中片麻痺者の三次元動作解析に基づいた客観的データから,離殿を繰り返して起立を達成する麻痺が重度な脳卒中片麻痺者は,麻痺が軽度な脳卒中片麻痺者の起立動作とは異なる運動学・運動力学的特徴が明らかになった.これらより,重度の麻痺を呈する脳卒中片麻痺者の起立動作達成のためのリハビリテーション評価および治療において,これまで提唱されていなかった離殿前の股関節モーメントや離殿時の胸郭前傾角度について着目する必要が示唆された.このことは,より効率的な脳卒中片麻痺者の起立動作の理学療法プログラムの立案に寄与できる基礎的なデータであると言える.
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