研究課題/領域番号 |
20K23270
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 (2021-2022) 健康科学大学 (2020) |
研究代表者 |
池上 諒 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70881770)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 温熱療法 / 筋肥大 / 筋萎縮 / 温度感受性チャネル / TRPV1 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,温熱療法は筋肥大を引き起こす可能性が示されており,積極的な運動が困難な患者への応用が期待されている.しかしながら,温熱療法による筋肥大を裏付けるエビデンスは十分でなく,そのメカニズムの詳細も不明である.本研究では温度感受性チャネルであるTRPV1に焦点を当て,温熱刺激による筋肥大に対するTRPV1の新たな機能的意義を解明することにより,運動トレーニングに変わる新規筋肥大方法の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究は温熱刺激による筋肥大の効果を検討した.筋細胞内のカルシウム緩衝能力は遅筋と速筋で異なることが報告されている.温度感受性チャネルから放出されるカルシウムイオンが温熱刺激による筋肥大のメカニズムであると考えられるため,緩衝能力の高い遅筋と緩衝能力の低い速筋で温熱刺激負荷後の細胞内カルシウムイオン濃度及び筋肥大シグナルの活性を計測した.その結果,温度感受性チャネルは速筋と比較し遅筋で多く,温熱刺激負荷後の筋肥大シグナルの活性は速筋で高いことが示唆された.これらの知見は臨床における筋肥大を目的とした温熱刺激利用において, 対象とする筋選択する必要性を示唆するものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最終的な目標は,温熱刺激による筋肥大メカニズムを解明し,運動トレーニングに変わる新たな筋肥大方法として臨床応用への発展を目指すことである.近年,温熱刺激はタンパク合成経路を活性化させることが示されている.しかしながら,そのメカニズムは未解明であり,臨床現場において筋肥大目的に温熱療法を適応し成功した例は無い.本研究は筋繊維タイプにより温熱刺激に対する筋肥大の効果が異なることを示唆しており,今後温熱刺激による筋肥大を臨床応用する上で有用なプロトコルの立案への貢献が期待される.
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