研究課題/領域番号 |
20K23285
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上野 雄己 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (70793397)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レジリエンス / 身体活動 / 精神的健康 / 横断調査 / 縦断調査 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の精神疾患患者数の増加が懸念される昨今,心理的に困難な状況からの精神的な回復に寄与する「レジリエンス」の概念を用いたアプローチが注目されている。これまでの研究から,日本人のレジリエンスは精神的健康に対し正の関連をもち,年齢とともに発達していくことが報告されている。しかし,どのような心理社会的要因がレジリエンス増強の促進に効果的な影響があるのか明らかにされていない。本研究では,日本人を対象とした,横断・縦断調査に基づき,身体活動量とレジリエンスの関係を定量的に検討し,レジリエンス増強の一助に身体活動がなり得るのか,明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では,日本人を対象に,身体活動量とレジリエンスの関係を,質問紙法に基づく横断・縦断調査によって定量的に検討を行った。横断的な結果として,運動習慣や運動量はレジリエンスに対し正の関連をもち,様々な交絡因子を調整した分析からも,身体活動の生活活動と運動習慣がレジリエンスの資質的,獲得的要因に関連を示した。縦断的な結果からは,身体活動の移動の変化がレジリエンス(獲得的要因)の変化に関連する一方で,仕事や余暇活動といった下位次元には関連が見られなかった。また運動習慣はレジリエンスの縦断的な低下を導く結果が示され,身体活動の効果の多様性について慎重に解釈する必要があることが指摘された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特性としてのレジリエンスを高めることは心的準備性を高め,予期せぬ出来事に直面しても,適応を促していく上で重要となる。これまでに効果検証されてきたレジリエンス介入の多くは認知行動療法がベースとされ,個人で実践するには専門的な知識が必要となり,敷居が高いことが予想される。そうした中で本研究の結果から,日本人においても身体活動とレジリエンスに一定の関連が認められ,さらにWell-beingにつながることは学術的にも社会的にも意義が大きな知見が得られたといえる。一方でネガティブな結果も示され,本研究を踏まえ,引き続き,結果の再現性や研究の精緻さを高めていくことが求められるだろう。
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