研究課題/領域番号 |
20K23302
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藤江 隼平 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (80882844)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | adropin / 動脈硬化 / 運動 / 一酸化窒素 / 血管内皮機能 / 肥満 / 糖尿病 / 有酸素性トレーニング / 大腿動脈血管 / 心血管疾患 / 有酸素性運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,運動により分泌増大するadropinが心臓の動脈血管(冠状動脈血管)に与える影響およびその分子機序を解明する。 肥満モデル動物を対象に有酸素性トレーニングにより分泌増大するadropinが心臓(冠状動脈)の血管に及ぼす影響の検討をする。また,有酸素性トレーニングによる心疾患発症リスクの低下効果へのadropinの関与とその分子機序について検討する。本研究成果により,有酸素性トレーニングによるadropin分泌が心臓の動脈血管に与える影響やその分子機序が明らかとなり,心疾患に対する新たな運動効果の機序解明やadropin分泌促進を標的とした新規運動プログラムの開発への応用が期待できる.
|
研究成果の概要 |
本研究は、有酸素性トレーニングによるadropin分泌の増大が動脈血管に及ぼす影響の作用機序の検討を目的とした。本研究の結果から、肥満糖尿病モデルマウスにおける大腿動脈血管におけるadropinの事前投与はインスリン誘発性の血管拡張能を改善させることやadropin遺伝子欠損マウスにおいて生体内のadropinが動脈硬化の悪化と関係しており、肥満や糖尿病による動脈硬化度の増大をadropinが減弱することが明らかとなった。したがって、有酸素性トレーニングの実施による生体内のadropin分泌の増大は、動脈硬化の新たな治療目的となる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、有酸素性運動による動脈硬化改善効果の血液バイオマーカーとしてadropinを用いて、動脈硬化の予防・改善に対する科学的根拠に基づく運動療法の提案が可能となる発展性の高い研究課題である。さらに、本研究ではadropin遺伝子欠損マウスを用いて検討したことから、adropinが動脈血管に対して生体内でどれ程のインパクトを有しているかを明確化するための基礎資料となる。そのため、運動生理学・健康科学分野だけでなく、疾患の第2次予防に対しても有益な情報となりうるため、医科学分野に対しても新たな情報を提供するインパクトのある研究であると考えられる。
|