研究課題/領域番号 |
20K23317
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石津 光太郎 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (80880137)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 知覚意思決定 / マウス / 細胞外電気生理計測 / Decision making / 脳内内部モデル / エビデンスベース意思決定 / バイアスベース意思決定 / 知覚生成 / オプトジェネティクス / 移動エントロピー / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれの脳は実際に入ってきた感覚信号に,これまで感覚入力の履歴から構築した内部モデルを対応づけて,もっともらしい外界を予測・推定することで知覚を生成する.しかしながら,この内部モデルの神経動態は,いまだに確認されていない. 本研究では,オプトジェネティクスによる蛍光観察を用いて,知覚・認知と意思決定プロセスに関連した皮質領野を同定し,さらに,特定した皮質領野についてニューロン単位での発火パターンを計測することで局所神経回路レベルでの脳内内部モデルの解明を目指す. 知覚に関する脳内内部モデルの神経動態が明らかになれば,知覚生成メカニズムの理解が深まり,人工知能研究への応用などの展開が期待される.
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研究成果の概要 |
音周波数弁別課題において、手がかり提示前に期待される報酬(事前値)が、提示された音(手がかり)情報と組み合わせられ、確信値へと順次更新されていくことが示唆された。事前値自体は感覚皮質と前頭皮質を含む背側皮質全体に符号化されていたが、事前値の更新は内側前頭前皮質で表現されていた。また、更新に用いられる感覚情報は、聴覚皮質に事前値と直交する形で表現されていることが明らかになった。さらに、確信度に基づいて生成された選択肢が二次運動皮質に表現されていた。このように、感覚入力、価値、選択が大脳皮質背側部で局所的にコード化され、事前知識と感覚入力を組み合わせた意思決定行動を可能にしていることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
意思決定を行う際の脳内でのプロセスを明らかにすることで、決定に至るまでのアルゴリズムがより明瞭化され、知識化される。他者の決定に対する理解度を深めることは、決定作業にかかわる精神疾患の理解につながり、診断やモデル研究を通しての治療法の開発等の臨床的応用につながることが期待される。また、脳型の決定作業を行えるAI開発などの工学的な展望も考えられる。
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