研究課題/領域番号 |
20K23361
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沼舘 直樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (20850100)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エアロゾル / 気液界面 / 光化学反応 / OHラジカル / レーザー誘起蛍光法 |
研究開始時の研究の概要 |
空気と水の界面における化学反応は地球の気候変動を理解する上で重要な要素である。近年、太陽紫外線を吸収しないと考えられてきた有機物が、エアロゾルなどの気液界面に存在する場合には光反応を起こす可能性が示唆された。気液界面の光反応によってOHラジカルが生成することでエアロゾルの生成・成長が促されると考えられているが、実際にOHラジカルが本当に生成するかは実験的な困難さから未だ確認されていない。本研究では、大気圧下における気液界面の光反応により生成したOHラジカルをレーザー誘起蛍光法にて直接検出する技術を開発することで、大気化学分野における新たな実験研究分野の開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、地球上に普遍的に存在するノナン酸などの脂肪酸が気体と液体の境界(気液界面)に存在する場合に、太陽光を吸収してOHラジカルを生成することが示唆されており、対流圏における新たなOHラジカル生成過程として大気化学分野にて注目されている。本研究では、液体有機物のレーザー実験装置を新たに開発し、液体ノナン酸への紫外線照射によりOHラジカルが生成されることを初めて実験的に明らかにされた。また、気相酢酸の光分解実験と比較することで液体ノナン酸の光反応におけるOHラジカル生成効率の定量測定に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、海洋表面や大気エアロゾルなどの表面(気液界面)における光化学反応は地球の地表付近(対流圏)の大気モデルにおける最大の不確定性と考えられている。しかし、実験の困難さから実験室研究はほとんど進んでいなかった。本研究で開発した液体用レーザー実験装置により気液界面の光反応研究が可能となった。また、大気化学において最も重要であるOHラジカルの生成効率を定量することも可能となり、地球の気候変動の予測やその精度向上につながると期待される。
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