研究課題/領域番号 |
20K23367
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
綱本 良啓 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術環境研究本部 エネルギー・環境・地質研究所, 研究職員 (00884355)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クローン構造 / ハマエンドウ / ハマヒルガオ / ハマニンニク / MIG-seq / 海浜植物 / 植生再生 / 石狩浜 / ウンラン / 自然再生 / 遺伝的多様性 / 保全再生 |
研究開始時の研究の概要 |
衰退が進む大規模海浜植物群落を対象に、繁殖調査と遺伝解析を行い、1)健全な個体群における遺伝的多様性はどの程度か、2)個体群の衰退に伴い遺伝的多様性は減少するのか、3)個体群の回復に伴い遺伝的多様性は回復するのか、を明らかにする。また、各対象種の繁殖特性の違いが、遺伝的多様性に与える影響を明らかにする。以上の結果から、最終目標として、海浜植物の多様性維持機構を考慮した海浜植物群落の保全管理手法を提案する。
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研究成果の概要 |
海浜植物4種のクローン構造を解析した結果、いずれの種においても、様々なサイズのクローンが入り組んで分布していることが明らかになった。検出された最大クローンサイズは、ハマニンニク1700 m、ハマヒルガオ29 m、ハマエンドウ37 m、ウンラン10 mであった。 ハマヒルガオとハマエンドウの結実調査により、両種ともに内陸植物の侵入が進んだ地点では、種子生産の効率が低下しており、長期的には遺伝的多様性の低下につながる危険性があることが明らかになった。 植生を除去後に再生した個体の遺伝的多様性を解析した結果、種により、個体数回復に伴い遺伝的多様性が回復する場合としない場合があることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特徴的な生活史を持つにも関わらずあまり研究されてこなかった海浜植物の個体群維持機構について新しい知見が得られた。特に、健全な状態が保たれれている個体群のみならず、衰退した状態や再生途上の状態についても研究対象としたことにより、群落の状況変化に伴う、遺伝的多様性の変化を明らかにすることができた。本研究の成果は、遺伝的多様性に配慮した海浜植物群落の保全再生を計画するにあたり指針となることが期待される。
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