研究課題/領域番号 |
20KK0002
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺田 寅彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30554456)
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研究分担者 |
三浦 篤 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10212226)
松井 裕美 (平田 裕美 / 松井裕美) 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (40774500)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 美術コレクション形成 / 美術品流通 / データ化 / マッピング / 大原美術館 / 日仏文化交流 / 流通 / コレクション形成 / データベース / アルゴリズム / フランス美術史 / フランス文学 / 情報工学 / 芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「芸術作品の流通と美術コレクション形成-通時的/共時的分析とデータベース」は、近年目覚ましい発展を遂げる美術史分野のデータベースを客観的分析ツールとして活用することで、従来からの歴史研究(通時的分析)にとどまらない同時代の芸術的感性の形成・差異を意識的に分析し(共時的分析)、近現代ヨーロッパ美術作品を収集して形成された日本の美術コレクションの持つ意義を従来にはなかった新しい視点から総体的に理解することを目指す。マッピング等のデータベースを開発・運営しているパリ高等師範学校の美術史学研究ユニットArtl@sとジュネーヴ大学デジタル・ヒューマニティ部門を海外研究協力者とし日仏共同研究を行う。
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研究実績の概要 |
2022年度の「芸術作品の流通と美術コレクション形成-通時的/共時的分析とデータベース」の活動は、大きく2つに分けることができる。1つは海外渡航を行い(三浦、寺田)、フランスやベルギーでの資料調査や学術交流を実施したことで、もう1つは海外からの招聘も含めて国際シンポジウムを本テーマで行うことができたことである。海外渡航では三浦が仏国立図書館、仏国立美術史研究所等で、寺田がゲント美術館資料室、仏国立図書館でそれぞれ現地調査を行った。その成果は、2023年2月28日に東京大学総合文化研究科(駒場キャンパス)で開催された国際シンポジウム「芸術作品の流通と美術コレクション形成-通時的/共時的分析とデータベース」 で発表された。この国際シンポジウムでは、三浦の開会トークに続き、招聘されたレア・サン=レモン(パリ高等師範学校、Artl@s)「アジア芸術市場の舞台裏:《中国・日本趣味》美術商とその海外支所(1858~1954年)」、カンタン・ベルネ(パリ高等師範学校、Artl@s、招聘は東京大学戦略的パートナシッププログラム)「科学とデータを通して見た芸術の歴史と地理」、国内研究者の小泉順也(一橋大学)「日本の美術館におけるフランス美術コレクション」、やはり国内研究者の柳沢秀行(大原美術館)「大原美術館のフランス近代美術品収集」、そして寺田の「フランドルへの道-ベルギー芸術家と日本人芸術家の出合い」といった発表が行われ、美術コレクションの流通・形成にかかわる研究報告と、そのデータのデジタル化(本発表ではマッピング化)が紹介された。松井裕美の司会によるラウンドテーブルの議論も活発に行われて、本分野の国内研究者の多くの関心を呼んだ。全体を通じて、通時的歴史研究の枠組みを美術史がデータのデジタル処理を通じてどのように共時的知見を開拓できるかが示された。以上
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は国際シンポジウム「芸術作品の流通と美術コレクション形成-通時的/共時的分析とデータベース」を海外からの招聘者も含めてハイブリッド形式で開催することができた。また、フランスやベルギーでの海外滞在型資料調査も実施することができた。このように研究は概ね順調に進展し、成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のためにとりわけ海外渡航を含む企画が実施できなかった期間が長かったため、自由な往来が可能になった今こそ、海外滞在型の調査や、海外からの招聘を前提とした共同調査・研究発表の企画を実現したい。現時点ではENSの協力を得て、日仏美術商や大原美術館のようなプライベートコレクションの形成にかかわる調査を国内・国外でさらに深く進め、またデータをマッピング化することが第一目標となる。可能であればさらに、コロナ禍の影響で共同研究を進めることが難しくなっていたジュネーヴ大学の協力を得て、データ化技術を生かした新しい美術史研究の方法論を確立していきたい。
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