研究課題/領域番号 |
20KK0073
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30301930)
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研究分担者 |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (30182041)
松島 健 九州大学, 理学研究院, 教授 (40222301)
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
大園 真子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10623837)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | スロー地震 / カムチャツカ海溝 / 地震観測 / 測地観測 |
研究開始時の研究の概要 |
ゆっくりと発生する「スロー地震」が、南海トラフなど世界各地の沈み込み帯で発見されている。この特異な地震は、巨大地震の震源域縁辺部で発生していて、プレート境界の応力状態や巨大地震の震源域の広がりを反映した現象である可能性が示唆されている。 日本海溝や千島海溝と同じく太平洋プレートが沈み込むカムチャツカ海溝は、M9クラスの超巨大地震が発生するなど地震活動が活発な地域である。しかし、これまでスロー地震の発生は知られていない。ロシア科学アカデミーとの国際共同研究を通じてスロー地震の探索を行い、地震現象の地域性や多様性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ロシアのウクライナ侵略が継続し、ロシアへの渡航中止勧告や機器の輸出規制が継続しているため、今後の研究方針についてメンバーで検討を行った。今後の渡航見通しが立たないことから、研究手法を大幅に変更することとし、カムチャツカ海溝でのスロー地震の探索に加え、同じくこれまで発生の有無が調査されていないカムチャツカ海溝に隣接する千島海溝を対象に加えることとした。カムチャツカ海溝での調査には、ロシアでの新規観測点の設置は断念することと、既存のデータの解析を中心に実施することとし、公開されている広帯域地震計とGNSSデータの解析を試みることとした。また、地震カタログから震源の空間分布や群発的活動に着目した解析を試みることとした。GNSSデータの解析からは、スロースリップに特徴的な座標時系列の不連続が見られることが明らかになったが、ノイズの可能性もあるため詳細な検討が必要である。千島海溝のスロー地震の検知能力を向上させるため、整備した広帯域地震計を北海道東部に設置して観測を開始した。新たに設置した観測点を含めた広帯域地震計の連続波形を作成し、長周期のバンドパスフィルタをかけることで、長周期のシグナルの検出を試みたところ、日向灘で見られる超低周波地震と同じような特徴を持つ波形が検出された。そのうち、遠地及び近地の中規模地震による波形を取り除く作業を実施し、超低周波地震による可能性が残るイベントを抽出した。超低周波地震の震央推定に関する検討を行い、表面波の特徴を用いたいくつかの手法を応用することとし、解析プログラムの作成に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響、及び、ロシアのウクライナへの侵略の影響で外務省よりロシアへの渡航中止勧告が出ており、2022年度中の渡航が行なえず、今後も渡航見通しが立たないため、研究計画の大幅な見直しが必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
ロシアのウクライナの侵略が継続しているため、研究期間内に現地へ渡航することは困難と判断した。研究手法を変更し、カムチャツカにおけるスロー地震の探索方法としては入手可能なデータを用いた解析を試みる。また、カムチャツカの南方延長である千島列島中部のスロー地震の発生状況について、北海道周辺の観測点を増強したうえで解析を試みる。
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