研究課題/領域番号 |
20KK0098
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40356407)
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研究分担者 |
玄 英麗 東京工芸大学, 工学部, 助教 (20770564)
久保田 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (80549741)
村山 顕人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60396760)
高取 千佳 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10736078)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 温暖化 / 暑熱環境予測 / 都市計画 / 健康 |
研究開始時の研究の概要 |
本国際共同研究では、将来の気候変動下の成長国都市(経済成長も人口増加も続くインドネシアの4~5都市を対象)において、すなわち、地球温暖化と都市温暖化の2つの深刻な温暖化に直面し、今後ますます厳しい暑熱環境になることが想定される成長国都市において、住民の健康被害を極力防ぎ、健康的な暮らしを可能とする「健康都市計画手法」を開発する。本計画手法に基づき、対象都市で策定されている都市計画マスタープランに対して各種暑熱対策の導入がもたらす健康被害改善効果を定量的に比較・検討し、最終的に「健康都市」を標榜するプランへの改良を図る。
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研究実績の概要 |
厳しい暑熱環境下において住民の健康被害を極力防ぎ、健康的な暮らしを営むためには、適度の空調(冷房)導入・使用が欠かせない。本研究で対象とするインドネシアの現状の冷房普及率は低い。ただし、将来的には、冷房普及率が急速に高くなることが想定される。その際には冷房使用に伴う人工排熱が増加することになる。2022年度は、ジャカルタを対象として、冷房普及に伴う人工排熱増加が都市暑熱環境に及ぼす影響を領域気象モデルWRFにより定量的に評価した。また、WRFによる暑熱環境シミュレーションを実施する際、ジャカルタの将来の人口増加を踏まえた建物形態変化(水平方向もしくは鉛直方向の建物容積増)や建物用途・規模別分類をWRFに導入する都市キャノピーモデルのパラメータ設定を通じて考慮した。 冷房普及の検討の前に、将来の建物形態変化が屋外気温変化に及ぼす影響(建物容積の増加により屋外気温は上昇する方向)を検討した。ジャカルタを海側域と内陸域の2つに大別して比較すると、建物容積を水平方向に増加させる場合も鉛直方向に増加させる場合も、内陸域の気温上昇が海側域の気温上昇よりも大きくなった。また、内陸域の気温上昇は、建物容積を水平方向に増加させる場合よりも建物容積を鉛直方向に増加させる場合の方が大きい結果となった。ただし本研究では、都市内での緑地確保のため、建物形態変化は建物容積を鉛直方向に増加させる場合を中心として検討を行った。 冷房普及の検討としては、冷房普及率100%と0%の場合の比較を行った。その普及率の違いによる屋外気温差(冷房普及率の増加により人工排熱が増加し、屋外気温は上昇する方向)に関して、海側域よりも内陸域の方が冷房普及時の気温上昇が大きく、また、住宅域よりも非住宅域の方が冷房普及時の気温上昇が大きい結果となった。さらに、日中よりも夜間の方が冷房普及時の気温上昇が大きい結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度もコロナ禍に伴う出張制約で海外渡航ができないことになってしまったが、対象地であるインドネシアの行政関係者等とのメール連絡を通じて、現状土地利用や将来の都市計画(都市計画マスタープラン)、都市内の建物に関するデータ等の情報を入手し、それらをシミュレーションの入力条件として整備し、暑熱環境シミュレーションのケーススタディを進めた。2022年度は特に、対象地の冷房普及が暑熱環境に及ぼす影響評価に焦点を当てて研究を進めた。このうち、冷房普及状況については本来、現地調査を行いたいところであったが、現地訪問が叶わず、文献調査で代替した。2022年度も研究遂行上、色々な制約があったが、インドネシア・都市暑熱環境予測の実施については、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで実施してきた都市暑熱環境の将来予測の結果を基に、今後は健康被害予測を進めていく。
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