研究課題/領域番号 |
20KK0166
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 博樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40401228)
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研究分担者 |
海部 陽介 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (20280521)
澤藤 りかい 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(CPD) (50814612)
蔦谷 匠 (澤藤 匠 / 蔦谷匠) 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (80758813)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | プロテオーム / デニソワ人 / 化石人類 / 人類進化 / 海底遺跡 / 台湾 / コペンハーゲン / アミノ酸配列 / 古代プロテオミクス / プロテオミクス / 古人骨 / 化石 / 古環境 |
研究開始時の研究の概要 |
太田(代表)の研究室を古代プロテオミクス研究の日本における拠点とすることを目指す。本研究は、古代プロテオミクス解析の開発者であるコペンハーゲン大学のエンリコ・カペリニ准教授とこの分野の第1人者であるフリド・ウエルカーとの共同研究として進める。古代サンプルを扱う際には、現生サンプルには無い特別のケアが必要である。本研究では、これまでにこうした特別なケアを学んできた精鋭2名の若手研究者と太田(代表)が一定期間コペンハーゲン大学におもむき研究活動を実施する。こうして日本国内に古代プロテオミクス技術を移転し、日本が古代プロテオミクスの研究分野で国際的な存在感を発揮する土台を作る。
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研究成果の概要 |
澎湖海峡の海底から出土したホモ族の化石Penghu 1のプロテオーム解析が行われた。この化石の形態分析は海部(分担)が担当し、太田(代表)らはDNA抽出を試みたが成功しなかった。蔦谷(分担)と澤藤(分担)はPenghu 1の下顎骨からタンパク質を抽出し、デニソワ人のアミノ酸配列と比較し、高い類似性を確認した。この結果から、Penghu 1はデニソワ型の旧人である可能性が強く支持された。東南アジアや東アジアの高温多湿な気候により古代DNAの保存が困難である中、本研究は古代プロテオーム解析の価値を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の古代ゲノム学は、欧米から大きく遅れをとってしまっている。しかし、古代プロテオミクスでは、まだその遅れは小さい。古代プロテオミクスは系統分析にとどまらず過去の生物や人類の遺伝子発現、摂食行動、免疫応答などに関する進化医学的な情報をも提供し、医学・創薬への応用の可能性も内包する。今後この分野で巻き返しをはかることが期待できる。海底遺跡から発見された化石が、デニソワ人型旧人である可能性が高いことを突き止めた本研究の成果は、学術的意義の高いものであるだけでなく、この分析技術の応用は、社会的意義も高いと自負している。
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