研究課題/領域番号 |
20KK0175
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 教授 (40192190)
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研究分担者 |
人羅 勇気 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 准教授 (00755308)
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 客員教授 (30194658)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 天然資源 / エジプト / 難病治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品の50%は天然資源に由来し、その中でも1981年以降に認可されたがん治療薬に占める割合は63%であることから、創薬研究での天然資源の果たす役割は極めて大きい。また、今日でも治療薬のない難病は多く、新規医薬品開発の社会的要請は非常に高い。本研究では、広汎な創薬候補の探索がほとんど行われていないエジプト産の天然資源を活用し、難病治療薬の創成を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、エジプトの豊富な有用天然資源から、新興感染症や難病に対する治療薬候補を発見することを目的としている。コロナ禍のため、研究代表者や分担者によるエジプトでの調査や採集を実施できなかったが、エジプトの共同研究者により採集された植物や真菌を用いて研究を進めた。 2023年度は、エジプトで単離された真菌 HC2 株が、さまざまな骨格を有する化合物を複数産生していることがmolecular networking解析により示唆されたので、HC2 株を培養し成分を探索した。初めに、米培地(米800 g)を用いて真菌を25度で3週間培養した。n-ブタノールで抽出し、濃縮後に酢酸エチルと水で分配した。酢酸エチル画分をn-ヘキサンと90% メタノール-水で分配し、90% メタノール-水画分(4.4 g)をシリカゲル、逆層ゲルカラムクロマトグラフィー、および高速液体クロマトグラフィーで精製し、neocyclocitrinols A-D、pennicitrinone C、quinolactacins A, C1, C2, Eなど9種類の既知化合物を単離した。さらに、ステロイド骨格にchromenone誘導体が結合した新規性の高いヘテロダイマーの単離に成功した。当該化合物の平面構造は決定したが、2箇所の立体配置については核磁気共鳴スペクトルや計算化学により解析するとともに、誘導体に導くことにより検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のためエジプトでの採集はできなかったが、エジプトの共同研究者に植物や真菌を送ってもらい、難病治療薬のシーズを探索した。そして、研究成果を学会で発表し(第23回天然薬物の開発と応用シンポジウム、第9回食品薬学シンポジウム)、論文投稿した(Phytochemistry 206, 113548, 2023)。さらに、エジプトで単離された真菌 HC2 株から新規性の高いヘテロダイマーを単離し平面構造を決定することに成功した。以上により、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者によりエジプトで単離された真菌 HC2 株から新規性の高いヘテロダイマーを単離し平面構造を決定したが、現在、立体配置を検討中である。絶対立体配置を含めた構造を決定した後、学会で発表し論文を投稿する。また、他にも単離した化合物があるので研究を進める。
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