研究課題/領域番号 |
20KK0225
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大和田 祐二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20292211)
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研究分担者 |
香川 慶輝 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (30728887)
前川 素子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50435731)
山本 由似 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80635087)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 高脂肪食 / ミクログリア / FABP4 / アルツハイマー病 / ALS / 脳炎 / アミロイド / アストロサイト / 長鎖脂肪酸 / PUFA / パーキンソン病 / 脂質バランス |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では、ニューロンとグリア細胞の機能的・構造的ネットワークに着目しながら、脂肪酸栄養によって変化する脳(神経系細胞)の脂質恒常性を制御する分子基盤の解明と、その精神/神経変性疾患における病態生理学的意義を動物レベルで検証する。 研究遂行に向けて、遺伝子改変マウスおよびヒト疾患サンプルを用いて神経病態にアプローチしてきた東北大学グループと、脂質脳内輸送を疾患モデルに対する薬理学的アプローチで解析を進めてきたMonash大学グループ、さらに疾患ゲノム解析で実績を有する理化学研究所間での相互の研究者交流を実施する。未だ謎が多い脂質栄養と脳機能との関連について新たな知見を提供することが期待される。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、脳炎症モデルマウス、筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスを用いてFABP4によるミクログリアのM1/M2極性制御機構の解明を中心に検討を行った。 LPS誘導脳炎症モデルマウスの脳より単離したミクログリアにおいて、脂肪酸結合タンパク質(FABP4)の発現増加がみられることを明らかにした。またFABP4がミクログリアの糖代謝、脂質代謝に深く関与していることを、培養ミクログリア細胞株(BV-2細胞)におけるFABP4遺伝子ノックダウン実験より明らかにし、欧文誌に発表した(J Neuroimmune Pharmacol)。 上記に並行して、高脂肪食(HFD)によるアルツハイマー病(ALD)の病態に対する影響について、生後発達過程にHFDを給餌したALDモデルマウスを用いた実験によって検証した。その結果、HFDーALDモデルマウスでは、正常餌(ND)に比べて、海馬および大脳皮質のアミロイドタンパク質の凝集が著明に変化し神経変性が促進された。さらには脳の主要な免疫細胞であるミクログリアのアミロイドプラーク周囲への集積がHFD給餌マウス群で低下していることを突き止めた。ミクログリア培養株を用いた実験では、ある種の長鎖脂肪酸によって、ミクログリアの活性化に関わるシグナルが著明に変化することも明らかとなった。この結果については国際学会において発表するとともに、論文投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FABP4の炎症脳ミクログリアにおける発現増強とその意義について論文発表したのに加え、新たにアルツハイマー病と高脂肪食摂取の関連について新たな研究展開があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は高脂肪食がミクログリアにいかなる機能修飾を及ぼすのか、さらにアミロイドタンパク質の凝集に関与するメカニズムについて、初代培養細胞およびミクログリア細胞株を用いた細胞生物学的検証を進める予定である。
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