研究課題/領域番号 |
20KK0310
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 一橋大学 (2022-2023) 東京工業大学 (2020) |
研究代表者 |
川平 友規 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50377975)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 複素力学系 / 放物的分岐 / 擬等角写像 / Beltrami方程式 / μ-等角写像 / 数値解析 / ベルトラミ方程式 / 精度保証計算 |
研究開始時の研究の概要 |
基課題は「1次元複素解析的写像による力学系では,カオス部分を位相的に保ったまま周期点の退化を解消できるであろう」という「Goldberg-Milnor予想」に対し,指定された複素構造の変形が実現できる「μ-等角写像」を用いた新しい解析的なアプローチを提案するものである.さらに本国際共同研究では,「μ-等角写像」の様々な応用と実装,とくに複素力学系理論への応用を視野にいれ,「μ-等角写像」が満たす偏微分方程式である「退化Beltrami方程式」の一般的解法および数値解法を研究する.
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研究成果の概要 |
本研究課題は,基課題である「Goldberg-Milnor予想の解決に向けたμ-等角摂動の研究」(基盤C,19K03535)のさらなる発展を目指し,数値解析の側面からアプローチするものである.具体的には,複数の周期点が退化した状態である放物的周期点をもつような複素力学系を「おだやかに」摂動し,力学系のカオス部分を本質的に保つことができるか,という問題(Goldberg-Milnor予想)に対し,「μ-等角写像」とよばれる擬等角写像を含んだ同相写像のクラスを適用し,解決を試みる.本研究ではとくに,退化(歪曲度)が激しい「μ-等角写像」に対し,誤差評価付きの数値計算手法を実装することを目標とした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に時間発展するシステムを「力学系」とよぶが,力学系を決定するパラメーターは多くの場合振動や摂動にさらされており,ある範囲で絶え間なく揺らぎ続けていると考えるのが自然である.一方で,そのような力学系の振る舞いが将来にわたって予測可能であるためには,力学系全体がパラメーターの変化に対して「安定」している必要がある.本研究では,パラメーターの変化に対して「不安定」なシステムにむしろ着目し,パラメーターの変化の方向を限定することで,システムの変化を最小限に抑えるための研究を数値解析の観点から行った.
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