配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2011年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2010年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2009年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
|
研究概要 |
色や形, 運動など, 視覚情報の特徴要素に対応する脳内信号がどのように分離統合しているかについて, 脳活動計測実験を行う事によって調べた. まず色刺激に対する脳活動の分類解析により, 錐体反対色軸の4色以外に, 少なくともその中間方向4色に対応して独立の神経活動が生じる事を示す結果を得た. また, 色情報と視覚的運動の情報の結合について, 知覚のリンクに特に着目して研究を行った. 被験者の知覚応答に対応して脳活動が変化した部位を特定したところ, 比較的初期の視覚野と運動に選択的に応答する部位の脳活動が対応を示した. この結果は先行研究の結果をさらに絞り込んだ形で, 脳内で知覚に対応した色と運動の結合信号が存在する部位について示唆を得た.色と形の情報の結合について, 脳活動の分類解析によって調べたところ, 色と線分(形状の素片)の傾きの情報が結合した信号が視覚野の広い範囲に存在する事を示す結果を得た.これらの結果を総合すると, 脳内での視覚情報は特徴要素間での結びつきが強いもの(形と色)と, 部位によって分離・統合している可能性が高いもの(運動と色)が存在する事を示した. また, 高次からの逆行性の信号と, 低次から順向性に処理される信号がどのように相互作用しているかを今後明らかにする必要がある事が明らかになった.
|