研究概要 |
わが国における鉄筋コンクリート造建築物の黎明期に生産され,かつ現在も供用中の工場(山口県山陽小野田市)を対象に,当該建築物に関する資料調査と実測調査とを行った。併せて黎明期の鉄筋コンクリート造に関する著作の調査も行った。その結果,我が国が明治時代より近代化をすすめた際の建築材料製造技術の歴史ならびにその材料を用いた新しい構工法である鉄筋コンクリート造建築物の歴史の一端を明らかにすることができた。ここで得られた成果は,黎明期の同構造建築物における耐久性を解明するための基礎的な資料となるとともに,現在,各地で進められている多くの鉄筋コンクリート造建築物の文化財としての保存に対し,補修改修方針の策定に関しても資するものである。
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