研究課題
基盤研究(C)
医療関連感染サーベイランスは感染管理活動の中核をなす。しかし、その重要性を認識していても現場の様々な事情からその活動の実施・継続を果たせていない施設も少なくない。本研究では、医療関連感染サーベイランス活動の実態と、その活動に影響を与える要因を多角的に検討することを目的とした。2010年6月の時点で日本医療評価機能の認可を受けた全国の医療施設から無作為抽出した1289箇所の医療関連感染サーベイランス活動の責任を主として持つ感染管理担当者を対象に、研究者らが開発をした自記式質問紙を郵送し、調査協力を依頼した。回収率29.4%(379名)であった。サーベイランス活動を実施している施設は、75.9%(280箇所)であった。医療関連感染サーベイランス活動に影響を与える要因である、HAIS実践者に求められる資質、能力、知識、そして組織体制、支援体制に関してはいずれも医療関連感染サーベイランス実施群の値が有意に高かかった。回答者の71%が看護師であり、その看護師が有資格者であると、医療関連感染サーベイランス活動の実施率は有意に高かった。日本医療評価機能の認可を受けた医療施設におけるHAIS活動の実施・継続には、有資格者の上級看護師の存在が影響を与えていることが明らかになった。
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