研究概要 |
ナノスケール界面の安定構造を探索するためには,界面近傍で発生する原子スケール熱活性化現象を理解する必要がある.しかしながら,分子動力学法(MD)を代表とした従来原子計算スキームは,時間スケールに大きな制約があるため,固体内欠陥挙動を捉えにくく,結果,正確に発生頻度や活性化パラメータを予測することが困難であった.そこで,(1)0Kで活性化エンタルピーを定量的に算出できる大規模反応経路解析(NEB法)の開発(2)有限温度で秒スケールに及ぶ長時間ダイナミクスを実現できる加速化分子動力学法(Hyperdynamics法)の新しいアルゴリズム提案・開発を行い,金属中の転位発生プロセスへの適用可能性を検証した.結果,加速化シミュレーションによって,実験スケール(秒オーダー)の解析に成功し,応力と温度に依存する活性化パラメータの獲得に始めて成功した。
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