研究課題
若手研究(B)
本研究課題は魚類の代表的モデル生物の一つであるゼブラフィッシュを用いて、リゾリン脂質シグナリングの作用機序、およびその関連分子を明らかにすることを目的とした。代表者は解析に不可欠であるトランスジェニック系統作製に必要な新規ベクターの作製およびそれを用いたトランスジェニック系統の作成を行った。特に、gal4-UASシステム、およびトランスポゾンを用いたシステムを用いたことで、様々な臓器に特異的に、目的の遺伝子を発現させるトランスジェニック系統を得ることに成功した。これらのトランスジェニック系統、およびモルフォリノなどを用いて、リゾリン脂質シグナルに関与することが予想される遺伝子の解析を行うことで、各遺伝子が、目的の臓器において、いつ、どこで機能するかについて、解析を進めている。特に、リゾホスファチジン酸の代謝関連酵素、並びに受容体に着目して解析を進め、すでに、いくつかの臓器の形成過程に必須な遺伝子群の同定に成功した。これらについては、論文投稿の準備を進めている。リゾリン脂質シグナルに関する受容体並びに代謝酵素は、脊椎動物以上の高等動物に保存されていることが多く、ゼブラフィッシュは、リゾリン脂質シグナル関連遺伝子を有する最も下等なモデル動物の一つである。本研究結果は、これまで、哺乳類のモデル動物を中心に解析されてきたリゾリン脂質シグナルの解析に、ゼブラフィッシュという新たなモデル動物が有効であることを示す意義を有する。
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