細胞においてglyceraldehyde-3-phosphate-dehydorogenase(GAPDH)は活性部位のシステイン基がnitric oxide(NO)によりS-ニトロシル化されると核移行し、アポトーシスを起こすことが知られている。ラット心筋芽細胞H9c2のコントロール細胞ではNO刺激による細胞死は濃度依存性に増加したがglutaredoxin1(GRX1)過剰発現細胞(H9c2-GRX)では抑制されていた。H9c2-GRXではGRX1がGAPDHのS-ニトロシル化を抑制しており、またH9c2-GRXではコントロール細胞と比較してNO刺激によるGAPDHの核移行が少なかった。以上よりGRX1がGAPDHのS-ニトロシル化を抑制し抗アポトーシス効果を発揮している可能性が示唆された。
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