研究課題/領域番号 |
21H00624
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
木川 りか 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 課長 (40261119)
|
研究分担者 |
渡辺 祐基 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 研究員 (20825583)
和泉田 絢子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, アソシエイトフェロー (20885149)
白井 克也 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部, 部長 (70300689)
川村 佳男 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 室長 (80419887)
川畑 憲子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 室長 (00463505)
桑原 有寿子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 研究員 (50784039)
伊藤 信二 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 課長 (00443622)
小泉 惠英 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 未登録, 副館長 (40205315)
河野 一隆 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 部長 (10416555)
藤井 義久 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 客員研究員 (10173402)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
|
キーワード | 揮発性化学物質 / VOC / 展示環境 / 展示ケース / 空気環境 / VOCs / 博物館 / 環境保全 / 有機酸 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国をはじめ世界中の博物館・美術館等においては、多くの作品の展示にエアタイトケースが採用されている。エアタイトケースは、温湿度を安定して維持でき、粉塵から作品を保護する点で非常に優れている一方で、気密性の高さから、ケース内装材や展示台から発生する揮発性有機化合物(VOCs)等が空間に濃縮することによる作品への悪影響が大きな問題となっている。本研究では、九州国立博物館において、展示ケースなど作品の展示収蔵空間で揮発性有機化合物などの化学物質濃度を低減する実効性のある方策を確立するために、新たな技術も取り入れつつ、従来の施設も最大限に活かし、多くの現場の参考となる対策を策定することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
博物館等で使用されるエアタイトの展示ケースは、温湿度を安定して維持でき、粉塵から作品を保護する点で優れているが、ケース内装材等から発生する揮発性有機化合物(VOCs)等が濃縮することによる作品への悪影響が大きな問題となっている。本研究では展示ケース内で化学物質濃度を低減する実効性のある方策を検討した。(1) 各種展示ケースにタイマーで作動する換気ファンを導入し、空気環境を良好に改善した。(2)アルミと色付接着シートを用いた展示台を作成、良好な結果を得た。(3)海底遺跡出土木製遺物等の展示資料から硫黄化合物等が放出されて金属製品に腐食をひき起こす事例について、詳細な調査及び対策を実施した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日々運用している博物館現場で実施可能な、実用的な対策を検討した。展示・収蔵環境のVOCsの対策について、現場に活用できるシステマティックに対策が策定できれば、他の博物館等でも活用できる知見となる。九州国立博物館では、開館以来、総合的有害生物管理(IPM)について、独自性のある取り組みを実践してきており、わが国におけるひとつのモデルケースを創出し、その取組を広く日本全国の博物館、美術館に向けて年1回、IPMセミナー、IPM研修等を通じて公開してきている。本研究により、展示・収蔵環境のVOCsの対策についても、わが国の博物館等の保存環境向上に貢献する実例を提供できたと考える。
|